事務所の片隅で。

2014年05月9日

20140512

事務所内、本棚上の片隅に置いている模型。

独立後、事務所設立と同時に、はじめて取り組んだ個人住宅
山見の家」のコンセプトモデルです。

この模型を作った時、
全然違う構成の案で、既に実施設計が進んでいました。
何かが違う、、。このまま進んだら後悔する、、。
自身の強い思いをおさえられず、
材料に直接ラフスケッチしながら、
深夜に夢中で作り上げた模型でした。

施主ご夫妻に連絡を取り、ぜひ見てほしいと懇願。
「設計し直しなので、すみません、もう少し時間を下さい。」
若気の至り。今考えても、身勝手な自分にあきれます。

しかし、施主ご夫妻は、
「古川さんにとって、独立後、最初のプロジェクト、、。
自分達も後悔したくないが、古川さんにも後悔してほしくない。」
と話して下さいました。、、この上ないことです。
感謝の気持ちでいっぱいになり、
さらに、意気込みで身体が熱くなったことを思い出します。

周囲の自然と対峙させ、
正面全体のフレームを正方形で構成したかったこと。
間仕切り壁のないワンルームスタイルを提案したかったこと。
構造は、鉄骨造でいくか、木造でいくか決めかねており、
迷いがそのまま模型に現れているなど、
当初の思いや考えが、凝縮されていたようです。
その後、この模型を原型とした案で「山見の家」は竣工しました。

、、来週、事務所設立10周年の記念日をむかえます。