『柱梁の構造を表現した模型』実施設計へ

2016年12月26日

 

『柱梁の構造を表現した模型』実施設計へ

設計時に製作しているイメージ模型。
私の場合イメージ模型は、設計の比較的早い段階で、
手を動かしながら、目指すイメージを模索するための
表現手段。プロジェクトの性格に合わせ、部分や全体など
様々な大きさで製作しています。

横浜市の新築住宅計画『ぐるっと回れる家』では、
施主ご夫妻が思い描いた自由度の高い住空間を実現する
構造が重要となったため、柱・梁の構造を部分的に表現
した模型を製作しました。2世帯住宅として比較的
多人数の家族構成。互いの気配を身近に感じながら、
様々な間合いと居心地を生み出すため、あえて住まいの
中心に階段を配置。上下の交流と共に、周りをぐるっと
回れる空間としてます。
間取りを限定する壁を、極力なくしたワンルーム空間。
構造である柱や梁を適宜現しとすることで、それらを
たよりに、ハンモックを楽しんだり、カーテンや家具等
で間仕切り、住みながら居場所をカスタマイズ出来る
考え方です。

つまり、ご家族のライフスタイルを支える柱・梁が
どの位置にあり、どのように体験されるか、風情や
雰囲気が皆で共有出来るよう工夫した模型といえます。
本件は、この模型の確認をもって基本設計が終了。
実施設計に入りました。温まった空気が上昇する性質を
利用した自然換気システムを取り入れる予定ですが、
設備と構造検討の連携・打合せにも、分かり易い
この模型が大変役立っています。

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◆階段で上下に視線や気配が繋がる魅力や、現しの
 柱・梁の風情を、施主ご家族と共有する。

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◆勾配屋根を支える梁と、居室の関係が明確に分かる。

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◆ご家族が楽しみにしている屋外テラス。
 屋内階段-居間-テラス-庭、の関係がよく分かる。

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◆構造検討の打合せに模型を持参。関係者に様々な視点
 でみて頂くことで、貴重な意見も頂きました。

 

『ぐるっと回れる家』概要

母+夫婦+3人の子供たちが住まう2世帯住宅。
1階は母の寝室と居間。2階は家族の成長に合わせて
間仕切ることが可能なワンルームです。階段を中心に
ぐるっと回れる空間で自由度とゆとりを生み出します。

建物用途:2世帯住宅
構造規模:木造2階建て
敷地面積:205㎡(62坪)
建築面積:73㎡(22坪)
延床面積:137㎡(41坪)
所在地:横浜市

設計:古川都市建築計画一級建築士事務所 古川達也

 

新築住宅計画「ぐるっと回れる家(仮称)」基本設計

2016年08月24日

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◆建て替え予定のご自宅リビングで、模型を見ながら打合せ。

新築住宅計画「ぐるっと回れる家(仮称)」基本設計

横浜市都筑区の新築住宅計画「ぐるっと回れる家(仮称)」は
基本設計が進行中。
屋内外とも出来るだけ行き止まりなく、ゆとりと自由度を
生み出すよう、ぐるっと回れる空間の工夫が特徴です。

建て替え予定の、施主ご家族が住まう住宅のリビングに
施工担当の中山建設 中山さんとご一緒におじゃまし、
2回目の打合せ。
縮尺1/100のイメージモデルを作製し、空間全体の
方向性を整理・検討。打合せに持参しました。

建て替え場所の現地で打合せをしているので、
模型を手に持ち、方位を合わせ至近距離で眺めると、
自然光の入り方が、まさに実際の様子と同様となり、
とてもイメージがつかみ易い。
様々な角度や距離で見て頂き、主要な空間イメージが、
皆でかなり共有出来たように思います。

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◆窓から入る自然光がそのまま模型にリアルな明るさと陰影を
生み出します。施主ご主人が手持ちで実際の方角に合わせ、
模型の空間を、至近距離で体験中。

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◆図面と模型を見比べながら対話。施主ご夫妻の率直な感想を
お聞きすることが出来ました。

1/100イメージモデル
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◆建物と外構を別々で考えるのでなく、連続した空間として
常に切れ目なく考えて参ります。
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◆リビングと庭を繋ぐテラスは、屋内の延長として、庭の延長
として、心地良い中間的な空間となります。
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◆道路境界では、道行く人の視線を考慮し、開放性と
プライバシーを確保する木フェンスを構想。
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◆敷地のレベル差を把握し、スロープを設けるなど、将来の
バリアフリー動線と日常の利活用のバランスを計画します。
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◆2面が道路に面する南北に長い敷地です。現在の住まい方
の良い点は受け継ぎ、より快適なアプローチを提案します。
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◆北側の駐車スペース側は、キャンプ道具などの出し入れ等
アウトドアライフと住まいの関係を整え使いやすく考えます。
1階の壁を取っているのは、至近距離でみることで、居室
から庭を眺めるイメージを体験するためです。
~小さな模型ですが、実は、かなりリアルに体験出来ます。
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◆住まいの中心に階段を配置。上下階空間の繋がりを生むと
同時に、ぐるっと回れる空間性のかなめとなります。