設計課題エスキス

2016年10月14日

20161007エスキス授業
関東学院大学 建築環境学科2年 建築設計製図Ⅳ授業ブログより
学生の進めているエスキスに対し、アドバイス指導しています。
 

設計課題エスキス

エスキスとは美術用語で、下書きやスケッチなど製作過程の
検討や試作を意味します。語源は、エスキスesquisseが
フランス語で、英語ではスケッチsketchと考えて良いと思います。

ものづくりにおける過程として、
どのようにエスキスを進めるかは、常に課題となります。
新たなものを生み出すエスキスの楽しさ、あるいは悩み苦しみは
そのまま、ものづくりの醍醐味であるとも言えます。

建築設計におけるエスキスも同様、かつ
考え検討しなければならないテーマは多種多様です。
安全性や利便性、美観や快適性、合理性や実現性、
環境への配慮や提案性も、ますます関心が高まる社会。
実社会の建築設計も、大学授業の設計課題も
挑戦と反省を繰り返すプロセスは同じと言えます。

大学授業の非常勤講師として、学生の皆さまが進めている
設計課題のエスキス指導をしています。
設計実務の経験を活かしアドバイスしていますが、
常に新たな課題と直面し、同時に私自身も考え
学ぶ機会となっていると思っています。
 

合わせてご覧いただけます。
●設計製図授業第一課題「関内のオフィスビル」スタート
●即日課題の出題「際を考える」
●建築デジタルデザイン演習エスキス授業。@芝浦工業大学
●エスキス授業
●「建築設計製図IV」エスキス授業&ショートレクチャー
●なるほど授業ブログ?!
 

「イメージ模型」と「イメージスケッチ」

2016年09月17日

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◆「クラフトマンの家」1/100イメージ模型、正面
 

「イメージ模型」と「イメージスケッチ」

「イメージ模型」は、設計の早い段階で、目指すイメージを
手を動かしながら模索したり、関係者間でイメージを共有
したりするために、部分や全体、様々な大きさで製作します。

「イメージスケッチ」は、持ち歩いているスケッチブックに
思い浮かんだ時に比較的リラックスした状況で描くのが古川流。
場所や筆記用具など道具にこだわらず、出掛けた先、どこでも
日常的に思い付いた時、メモするように描いています。

以前より、模型づくりもスケッチを描くのも、設計作業と常に
並行して行っています。~ようは好きなんですね。笑
 

新築住宅計画「クラフトマンの家」

木の魅力を活かしたモノづくり、コトづくりに取り組む
職人さんのライフスタイルに寄りそう家。
新築住宅計画「クラフトマンの家」は、基本的な方針を
見きわめる基本設計から、建てるための実施設計に移行し
ました。イメージ模型を製作しつつ、断片的なイメージの
スケッチを重ね、そこから生まれるアイディアも多々あり、
設計内容に取り入れ進めています。

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◆地面に埋め込むように建つ建物本体。建設する際に出る残土を、
 建物正面のレベル差をなだらかに繋ぐように使う計画です。
 ランドスケープデザイン(建物と庭全体の景を計画)を
 重視したプロジェクトとなります。

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◆初期の外観イメージスケッチ。建設残土を建物正面の
 アプローチガーデンに活かすアイディアを模索。
 スケッチ場所:
 横浜髙島屋8階催会場、住まい相談会の待ち時間で描く。

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◆初期の内観、部分イメージスケッチ。くつろぐスペースと
 空間を特徴づける収納棚との関係を模索。
 スケッチ場所:
 自宅近所の理容室、息子のヘアカット付添待ち時間で描く。

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◆屋内と屋外の繋がりを模索。「クラフトマンの家」として
 居心地などの方向性がみえはじめ、空間の中心に薪ストーブ
 を配置するアイディアがスケッチに現れてくる。
 スケッチ場所:
 建設現場監理で長野に向かう新幹線かがやき車内で描く。

 

『クラフトマンの家』概要

木の魅力を活かしたモノづくり、コトづくりに取り組む
職人さんの住まいです。1階は材料・道具・作品など
の倉庫。2階は店舗併用の居住空間。屋内外の繋がりと
共に、来客をもてなす様々な工夫がなされています。

建物用途:店舗併用住宅(ショーホーム)
構造規模:木造2階建て
敷地面積:335㎡(48坪)他あり
建築面積:132㎡(39坪)
延床面積:239㎡(71坪)
所在地:横浜市

設計:古川都市建築計画一級建築士事務所 古川達也
   + 株式会社 中山建設


◆2016年12月23日、古川スケッチ

 

空間イメージをスケッチでメモ

2016年02月17日

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空間イメージをスケッチでメモ

打合せ先、旅先など、
常に持ち歩いているスケッチブック。
打合せの内容やスケジュール調整なども書きとめたりしつつ、
スケッチは、マーカーやボールペン、鉛筆などで
思い付くままに描きます。

私の場合、スケッチは
文字を書くことと変わらない、メモのような感覚です。
アイディアや大切だと思ったことについて
出来るだけその場で、メモをとるように描く。

数日前に自宅の食卓で描いた
新築住宅計画「中庭ガレージの家(仮称)」のリビング。

車をとめる中庭とリビングの繋がり。その奥にひかえる
玄関土間としてのガレージ。
道具や小物を収納する戸棚やオープン棚。

屋内仕上げのメリハリや、造作。
主要構造である梁などを現しとする空間イメージなど。

特に、中庭やウッドデッキと繋がる横の広がりと、
吹抜け空間による、縦の広がりをもつリビングの魅力は
活動的で何にでも挑戦する、住まい手の個性と
共鳴するイメージです。
詳細設計は半ば。まだまだ進化させますが、
スケッチは、強い軸足となるように思います。

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即日課題の出題「際を考える」

2016年01月15日

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出題中の私。テーマは「際を考える」(学科ブログより)
 

関東学院大学 建築環境学部2年生の必修授業。
第2課題「野島公園の図書館」いよいよ次週提出です。

この日は、エスキス中に取り組む即日課題を
私から出題させて頂きました。
次週提出する自身の図書館案一部分について、
1/50平面と断面を並べて
A3用紙に表現して頂く出題です。

テーマは「際を考える」

あえて境界と言わず、際(きわ)。
例えば、水際、国際、際会、、など
両者が対峙し、あるいは出会い、曖昧に混じり合う
様子をイメージしてもらえたら嬉しい。

私が以前に提案した地域交流センターの
断面図をスクリーンに映しご紹介。
道と施設の関係。庭と居室の繋がり。
屋内のような屋外、屋外のような屋内。
それらを意図的に計画した事例です。

結果、思っていた以上に
密度の高いスケッチをおこした学生が多く驚きました。
図書館の最終提出に活かして頂けたら幸いです。
皆さま頑張って下さい!

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明快にスケッチ出来ていた提出用紙を前にはり
講評しました。(学科ブログより)

「縁側サロンのある家」 屋内造作現場打合せ。

2015年10月19日

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「縁側サロンのある家」では、
施主・施工・設計の3者で屋内造作の現場打合せ。

例えば「縁側サロン」窓際の造作では、現場進行中に
うまれてきた施主ご夫妻の書棚イメージを、
古川が簡単に図面化。
現場の窓に貼り情報が皆で共有できるよう工夫頂いてます。
施工担当者による、図面への手描き書き込みは、
さらに現場修正を重ねた記録。

また、耐力壁にかかわる既設のキッチン本体は
一端撤去し、耐力壁の下地を施工後、再び元の位置に
戻し調整中です。施主のイメージを大工さんが
ダンボール板にスケッチすることで、情報共有。

着実に工程を前に進めるには、対話が必須。
そして、やはり口頭でなく、図面やスケッチによる
目に見える形の情報共有が大切だと
改めて感じます。

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◆キッチンや、各部収納スペースの棚形状など、
 施主ご夫妻が、要望やイメージを大工さんに
 伝えている様子。
 

「新型車両」で従来型スケッチ?!

2015年02月18日

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東京~長野を結ぶ今までの長野新幹線が
金沢まで延長し、一ケ月後には、
新しく北陸新幹線が開業。
新型車両が、既にお目見えしてます。

急きょ決まった長野出張。
特に意識なく乗場に来ると、目前に新型が!
~神々しい。
なんだか、とてもワクワクしますね。

もしかすると、その気持ちの高ぶりが
影響したかもしれません。
構想中マンションリフォームの新たなアイディア
に気が付き、持参の道具をバッグから取り出す。

トレーシングペーパー、
使い慣れたシャーペンに、消しゴム、
そして、得意の水性マジックペン。
慣れ親しんだ道具で、グリグリ描きました。

PCや携帯機器が出回って久しいですが、
初期のアイディア出しでは、僕は未だに
この従来型スケッチが一番早くて、
頭も良く動くようです。

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ところで。。

日帰りだった出張。帰りは旧車両でした。
なぜか妙に安心感があります。笑
リラックス必至の車中で、
とっても寛ぎたい僕が用意したのは。。

地ビールの「善光寺浪漫」

定番?ナス&野沢菜の「おやき」

どうしても食べたかったものは、
これも、スケッチ同様「従来型」でした。笑

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現地視察からスケッチへ。

2014年09月25日

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現在のお住まいをリフォームするとのことで
スタートしたプロジェクト。

独立された次男ご家族との2世帯住宅として、
新築で建て替えるかも?三男も一緒に住むかも?
ということで、改めて現地を視察することになりました。

敷地測量ご専門ポラリスさんの担当2名も同行。
ご案内頂いた中山建設:中山さんと、
高低差のある周辺含む隅々をまわりました。

中山建設ショールームに場所を移し、
見てきたままの気持ちを描きとめるようにスケッチ。
蚊取り線香のゆれる煙を見ながら、
手と頭をフル回転でした^^。

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スケッチとケーキ

2013年12月24日

今年のクリスマスケーキは、特別なものとなりました。
~クリスマスまでに間に合わせたい~
オーナーシェフの強い思いを受け、スタートしたプロジェクト、
ケーキ屋さんリニューアル計画。
竣工した工場「フランス菓子工房」では、既に多くの
ケーキが生み出されています。

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既存店舗の改装と、新たな工場新築を同時に行うため
休業期間を最短に抑えながら、法的整備や工事範囲のバランス、
リニューアルの価値を、関係者皆が感じることの出来る方針は何か、
何度もスケッチを重ねたことを思い出します。

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実現したケーキ屋さんで作られるクリスマスケーキを買って、
自宅に持ち帰ることが出来るなんて、、。
ウレシイ!

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~家族の反応は? ケーキすごーい!
もはや父が設計した工場で作られたことなど、どうでも良い雰囲気。
まあ、ケーキがとっても美味しいので、良しとしましょう!
メリークリスマス!!イイ夜です^^。

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