家具・建具や人を入れたイメージ模型 @店舗併用住宅「和定食屋さんの家」

2018年08月1日


縮尺1/50イメージ模型。来訪者にとって正面となる北東側
外観です。雪国である新潟県上越市の地域性として、
商店が並ぶ街並みでみられる雪よけの屋根「雁木(がんぎ)」
をモチーフとした構成です。

 

家具・建具や人を入れたイメージ模型
@店舗併用住宅「和定食屋さんの家」

古川都市建築計画では設計時、図面と同時進行で模型を
作ります。プロジェクトの性格に合わせて、大きさや
表現密度なども変えつつ製作。形態や空間の特徴など
関係者皆で共有することが、模型の主な利活用です。

従って、屋根・壁などの主要な骨格だけを早めに作って
おき打合せで活用。計画の進行に合わせ、仕上げや
ディテールを後から足し引きします。
実は、工事が着工してからも打合せの深度に合わせ、
その都度模型に手を加えることも、非常に多いです。

つまり、設計が全て終わり、確認のために実施設計の
成果品として模型をつくるのではなく、むしろ案が
定まっていない状況下で、各部の方針を一つ一つ決めて
いく、検討用の道具として模型を位置付けています。

本件縮尺1/50イメージ模型も、関わる方々のアイディア
やアドバイス等に合わせ、風合いや素材感、家具や建具、
佇む人の風情なども、着工後に手を加えています。
建物が竣工するまで、少しずつ進化する模型として、
プロジェクトの進行に役立てています。
 

※合わせてご覧下さい。
着工後、工事関係者と模型を使った意見交換の様子
地鎮祭と工事契約の様子
 


北側外観。1Fは店舗で2Fが住宅です。雪国である新潟県
上越市の街並みでみられる雪よけの屋根「雁木(がんぎ)」
が店舗の入り口となり、待合いとしてベンチも配置。
雁木は、雪かきを軽減する快適なバリアフリー動線として、
車椅子にも対応するスロープを備えています。


北西側外観。西側1Fの庇下に、住居出入り口と店舗厨房
の勝手口を配置しています。


雁木の店舗入り口から入ると正面に薪ストーブが見えます。


オープンスタイルの厨房。客室は20席で、施主ご夫妻が
全体を丁寧にケアできるワンルーム。
手前のリラックスしたスペースと、奥の落ち着いたスペース
が緩やかに繋がる構成です。


開口部に、あえて格子を設けることで、落ち着いた雰囲気
のスペースを生み出します。


客室全体の構成。客席は椅子テーブルの移動で、様々な
人数構成に対応。レジの上は神棚を設置。


厨房からみた客室。お客様の出入りを把握出来るよう、
店舗出入り口が見通せる工夫をしています。


客室と厨房の境は、食の提供や飾り棚など、和定食屋さん
としての利活用や風情など模索中。まだまだ進化の予定。



2F店主ご夫妻の住居、リビングダイニングと畳室。
掘りコタツのある畳室は、リビングと建具で仕切ること
が可能。公私で活用するフレキシブルスペースとして
位置付けています。

 

模型に屋内家具・建具や人を入れる検討

本件は工事が着工してから、具体的な仕上げや造作などが
決まってきていることもあり、施工担当者の皆さまとの
打合せ日程に合わせて、皆で確認したい造作家具などを
付け足しています。
やはり、家具・建具や人などを入れると、各部のスケール
感や空間の目差すところが、とても分かり易くなります。




1F和定食屋さんに、造作家具等を入れる前と後の状況。




2Fリビングダイニングと畳室に、造作家具等を入れる
前と後の状況。



リビングと畳室の関係も、家具・建具・人などを入れる
ことで、風情や課題が関係者間で共有し易くなります。

 

<「和定食屋さんの家」概要>

和定食のお店を独立開業するご夫妻の住まいです。1階が店舗スペース、2階がご夫妻の住まう居住スペース。来客が多いライフスタイルから、店舗だけでなく住空間においても、来客を楽しくお迎え出来るよう工夫しています。外観は雪国である上越市の地域性として、商店が並ぶ街並みでみられる、雪よけの屋根「雁木(がんぎ)」をモチーフとした構成が特徴です。

場所:新潟県上越市
用途:店舗併用住宅(1F店舗、2F住宅)
構造:木造2階建て(ロフト有り)
敷地面積:381㎡(115坪)
建築面積: 96㎡(29坪)
延床面積:157㎡(48坪)

建築家によるリフォーム相談会7月11日~16日 @匠大塚 お知らせ!

2018年07月11日


匠大塚日本橋ショールーム入口。東京日本橋タワー25階
です。7階で受付けし、スタッフにご案内頂きます。

 

建築家によるリフォーム相談会
7月11日から16日まで開催!
@匠大塚 東京日本橋ショールーム内

取扱い商品数約18,000点の中から厳選した商品で、
上質なインテリア空間を提案している「匠大塚」。
東京日本橋ショールーム内で、建築家による
リフォーム相談会(新築含む)が開催されます。
予約不要、リフォーム・リノベーションを中心に
どなたでも建築・インテリア・暮らしのお悩みなど
会場内期間中無料で相談出来る企画です。
ゆったりした空間で、素敵な家具の体験を兼ね、
是非気軽にお出掛け下さい。

日時:7月11日(水)~16日(月・祝日)
   10時30分~19時
場所:地下鉄日本橋駅すぐ、東京駅八重洲口から徒歩8分
   東京日本橋タワー25階(7階で受付け)
   匠大塚 東京日本橋ショールーム内
内容:横浜元町AAスタジオ建築家による
   建築・リフォーム相談会(入場無料)
   本企画は、日本橋高島屋インテリアフェスティバル
   出展として、匠大塚日本橋ショールーム内で、
   ご相談を賜わる企画となります。
詳細:古川都市建築計画までお問合せ下さい。
  (期間外や今後の開催含む)
 

古川達也の相談担当日について
弊所の古川達也は7月14日(土)13時~18時まで
相談担当します。
実例として個人住宅『山見の家』模型や
写真パネルも展示していますので、住まいづくり
の参考にご覧頂けます。

『山見の家』概要
1階は広い玄関土間と寝室。2階はリビングダイニング。
屋内全体は、建具や動かせる家具で、様々な居心地を
生み出すことが出来る、とても大らかな住空間です。
場所:神奈川県逗子市
延床面積:117㎡
ホームページ暮らしの様子紹介。
建築専門誌「新建築住宅特集」で紹介されました。
TV番組「渡辺篤史の建もの探訪」で紹介されました。

 


東京駅八重洲口から徒歩8分、東京日本橋タワー25階が
会場です。



ゆったりした会場です。相談担当者は名札を付けて
いますので、気軽にお声掛け頂けます。



会場づくりの様子。関係者皆で行っています。本企画
参加建築家は横浜元町AAスタジオ建築家メンバーです。
期間中、交代で皆さまの相談にお応えして参ります。

 

デパートの卒業設計展

2016年03月1日

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横浜SOGOの9階。

ご案内を頂き、関東学院大学人間環境デザイン学科の
卒業設計展(HED展)を訪れました。
HEDは、HUMAN ENVIRONMENTAL DESIGNの略です。

住空間を主とした地域性や場所性と丁寧に向き合った
計画が多く、全体として見応えある展示だと思いました。

一方、とても面白かったのは、会場の場所でした。
誰もが気軽に立ち寄れるデパート。
吹抜けに配置された展示は、
良い意味で想定外の出会いやハプニングも有り得る
ワクワク空間と言えます。

アレコレ話しながらみた方が、絶対楽しいはず。
誰かと行けば良かったなあと思いました。笑

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新築住宅『図書館のある家』 竣工写真のご紹介です!

2015年07月14日

 
<概要>
大らかな河川敷に面する、自然豊かな環境。約9600冊の書籍を所有するご夫妻の住まいとして、将来移り住むことも視野に入れた、終の棲家(ついのすみか)としてのセカンドハウスです。建物半分は住宅、もう半分は私設図書館で、互いに連続します。書架空間は、建物竣工後、施主自身で楽しみながら、徐々に書棚を造作していく予定。広いデッキテラスと繋がることで地域に開かれ、気軽に来客をお迎えする空間となります。 → 着手時のエピソードはコチラ

場所:長野県長野市   
用途:住宅(移住を視野に入れた別荘)
構造:木造2階建て
敷地面積:546㎡(165坪)
建築面積:102㎡(31坪)
延床面積:110㎡(33坪)
建築設計:古川都市建築計画
構造設計:レン構造設計事務所
施工:飯島建設株式会社イイケンハウス
屋内建具工事:中村木工所
居間家具:ボーコンセプト横浜店
写真:GEN INOUE

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将来のバリアフリーに配慮した、ほぼ平屋の構成。主要諸室は
全て1階です。一部を2階とすることで、目前に広がる川の
水面を上から眺められるようにしています。

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河川敷からみた南側外観。屋根は2寸勾配(2/10勾配)の
シンプルな片流れ形状。雪国であることを考慮し、雪解けが
玄関側に影響しない屋根の形を追求しています。

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遮るものなく広がる河川敷の景色を存分に楽しむ、大きな
開口部を配置。別荘として利活用し易いよう、シャッター
雨戸付きの窓(YKKap)を採用しています。

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接道している東側正面。左は河川敷、右は駐車スペース。
景色を取り入れたい河川敷の方角以外は、プライバシー
配慮から出来るだけ小窓にしています。

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玄関アプローチ。バリアフリー配慮から、積雪メンテナンス
し易い、コンクリート刷毛引き仕上げのスロープを設置。
オリジナル製作手摺、及びオリジナル木製引戸を採用しました。

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玄関ホールは書庫そのもの。住まい手も来客も、沢山の本に
迎えられます。本の背表紙に誘われ、手に取りそのまま読書。
今後本が入ると、楽し過ぎて居間にたどり着けないかも。笑

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河川敷に面する心地良いテラスに、そのまま本を持ち出して読書
出来る空間。また、大勢の来客がある場合は、テラスがそのまま
玄関になる考えです。

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全ての居室から、河川敷の緑が楽しめる構成。広いテラスに
フラットで連続することで、心地良い環境を満喫できます。居間
と寝室は4枚引込戸により、しっかり間仕切ることも可能です。

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日ごろはご夫妻での暮らし。水周り・居間・寝室が各々孤立せず
コンパクトに繋がる構成。居間は屋根勾配を活かした高い天井。
寝室上部は、広い小屋裏収納です。

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書棚のある、居間と寝室。オーディオ機器やTVなどの家電は
書棚の一部に組み込む構成。

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心地良い景色を感じながら調理出来るキッチン。経済性と機能性
を重視したシステムキッチンを採用。背面カウンター戸棚は、
細かく利活用を相談しながら設計した、オリジナル製作です。

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水周りがコンパクトに隣り合う家事にやさしい空間。採光と通風
を重視、景色を垣間見ることも出来る洗面が心地いい。段差の
ない機能的なユニットバスは、引戸採用のバリアフリー仕様です。

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低めの天井で落ち着いた寝室から、高い天井の伸びやかな居間と
テラスへ繋がる空間。書棚の向こうに書斎が見える、心地良い
距離感を大切にしています。

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居間と吹抜けで繋がる2階多目的室。川の風景が楽しめる、
眺望スペースです。主にご親族や来客用の客間として活用。
引戸で分割可能です。手前は寝室上部の、広い小屋裏収納。

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2階多目的室からの眺め。夏は深い緑、冬は樹木の葉が落ち、
どこまでも続く山並みや、ゆっくり流れる川の水面を見渡せます。

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木デッキテラスと吹抜けのある居間は、引戸によって微調整可能。
季節や時間帯、暮らしのリズムに合わせ、様々な居心地を生み
出すことが出来る空間です。

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大好きな本と、借景としての緑豊かな環境を、存分に味わう
ことが出来る住空間。

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アウトドアライフを、より楽しむための庇がある木デッキテラス。
少々の雨でも、心地良く外の風情を楽しめます。

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居室の延長としての、木デッキテラス。コンクリートテラスは、
家庭菜園の野菜を洗ったり、火鉢を楽しんだりする目的もあり。
早朝のコーヒー、バーベキュー会、夕暮れ時のビール、などなど。

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テラスは、もう一つの玄関。来客をテラスでおもてなしする機会
が増えそうです。

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日が暮れたら、例えば、お酒を飲みながら読書。。
やってみたいことが増える。。 時間の使い方が変わる。。
そんな住空間に、育っていく予感です。