教室がすべて黒板の教室?!

2018年08月20日

ユニークな建物形状の、まつだい雪国農耕文化村センター
農舞台(設計:MVRDV)。ミュージアム機能をもつ
比較的小さな公共施設ですが、屋内外とも来訪者を刺激
する、様々な見所がありました。

例えば、河口龍夫さん「教室」という作品は、
屋内の一室がまるごと作品となった、体験型の作品。
なんと、教室すべてがチョークで描ける黒板塗装で仕上
げられた、まさに教室がすべて黒板の教室です。

来訪者が、自由にどこにでもチョークで描き込める空間。
チョークで何かを描いている子供たちや大人も、
それを生徒のように眺める人々も作品であるような佇まい。
教室であることは、子供でも分かると思うのですが、
明らかに教室とは違う振る舞いが生まれているようです。

実際にチョークを持ってみると、落書きとも何か違う
スイッチが入るような感覚を感じました。
リラックスした空間であるのに、微妙な緊張感もある。
不思議な高揚感と共に、何かを問いかけてくる空間。
たまたま訪れた施設でしたが、良い出会いでした。



手足を伸ばし地面から浮かぶ建築。手足がそのまま
切り込む通路となり、歪な屋内空間を生み出す構成です。
緑の部分が、河口龍夫さんの「教室」という作品。




周囲の自然を眺められる大きな開口部以外は、屋内全てが
黒板塗装された不思議な空間。

 

小さな劇空間

2018年03月5日

 

たまたま夕方いつもより早めに帰宅。
ふと見ると、次男の机まわりが明るい。
不思議な光景にハッとする。
 

デスクライトに照らされた人型の何かが
ふわっと浮き上がり、
次のアクションに移りそうな佇まいです。
まるで、子供部屋を題材にした舞台セット。
衣装をまとった演者が
無言で動き、漂うような劇空間。

次男の机が、小さな劇空間のようでした。
 

実は、すぐに次男のしわざ?と気が付きました。
小学校の図画工作で作った作品を持ち帰り
机に置いて、遊びに出掛けたようなのです。
やられました。苦笑
 

近くで見ると、紙粘土製の粗いつくり。
針金で土台から浮かしたことが工夫のようです。
帰宅した次男に聞くと作品タイトルは
「飛び出すオバケ」
そのまんまですね。確かに頭部に△が。笑
 

息子から、ユーモアのプレゼント。
一瞬の非日常体験を
プレゼントしてもらった感じでしょうか。
ありがとう。
 

関東学院大学「建築展」バーティカルレビュー@横浜赤レンガ倉庫

2016年03月20日

 

関東学院大学「建築展」バーティカルレビュー

横浜赤レンガ倉庫にて関東学院大学「建築展」が開催中。
会場内で行われることになった、
バーティカルレビュー(学科・学年を超えた発表・講評・再考)
に参加しました。
非常勤講師で指導にあたっている、担当の授業以外の
様子や学生作品を知る良い機会です。

途中退席で全てに参加がかなわなかったのですが、
全体として、社会で求められる問題に向き合う
各指導者の意識や方針が、代表で選ばれた学生の発表で
鏡のように映しだされているように感じました。

限られた時間内、設計課題のプレゼンテーションでは、
最終的に、どのような形や空間になったか以上に
環境リサーチや、想定される利用者の声を分析、
より最適解を目指す、計画過程を明確化することに
重きがおかれている印象を受けました。

社会では出来るだけ多くの方々と設計プロセスを
共有することが求められ、その意識や技術の最先端に、
創造のヒントがあるという問題意識と言えます。
あらためて私自身の課題としても捉えられ、
とても勉強になったように思います。

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サインに導かれ、多くの学生作品に触れる機会です。

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会場内で行われた熱い?!バーティカルレビュー。
日ごろ私自身もここで展示する機会のある場所ですが
全く違う趣きでした。~とても良い雰囲気でした。