プレカット図の確認打合せ @木造住宅の家づくり

2017年01月6日

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プレカット図の確認打合せ @木造住宅の家づくり

木造の家づくりにおけるプレカットとは、必要な柱・梁等
の部材を、工場で自動工作機械を使って加工することを
いいます。自動で加工するには、あらかじめ全ての部材
寸法や加工形状等を、コンピューター入力しておく必要が
あり、その入力図がプレカット図となります。
プレカット図に間違いがあれば、そのまま間違えた加工で
仕上がるため、加工が自動でも、慎重なチェックが
必要になることは、言うまでも有りません。

新築住宅計画「心地よい風と緑のある家」は、無事着工。
コンクリート基礎工事の工程です。概ね一か月後には
現場に柱・梁が搬入され組み上げる上棟となりますので、
プレカット図のチェック及びプレカット作業は、
待ったなしのタイミング。

施工担当の中山建設中山さんの声掛けで、プレカット工場
へ伺い、担当の皆さまと直接息のかかる距離で図面を
互いにチェック。知恵を出し合いその場で修正・調整する
ようにしました。

とにかく早い!
PC画面を見ながら修正し、その場で内容を確認。
問題を全てクリアにし、誰も課題を持ち帰らない、
気持ちよい打合せとなりました。
ついでに、工場の様子を見学させて頂きました。
積みあがる材木の荒々しさと、部材をミリ単位で扱う繊細さ
がバランスする工場空間。
ものづくりのエネルギーを感じました。

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◆プレカット図のチェック。

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◆PC画面を使い内容をその場で修正確認。早いです。

 

『柱梁の構造を表現した模型』実施設計へ

2016年12月26日

 

『柱梁の構造を表現した模型』実施設計へ

設計時に製作しているイメージ模型。
私の場合イメージ模型は、設計の比較的早い段階で、
手を動かしながら、目指すイメージを模索するための
表現手段。プロジェクトの性格に合わせ、部分や全体など
様々な大きさで製作しています。

横浜市の新築住宅計画『ぐるっと回れる家』では、
施主ご夫妻が思い描いた自由度の高い住空間を実現する
構造が重要となったため、柱・梁の構造を部分的に表現
した模型を製作しました。2世帯住宅として比較的
多人数の家族構成。互いの気配を身近に感じながら、
様々な間合いと居心地を生み出すため、あえて住まいの
中心に階段を配置。上下の交流と共に、周りをぐるっと
回れる空間としてます。
間取りを限定する壁を、極力なくしたワンルーム空間。
構造である柱や梁を適宜現しとすることで、それらを
たよりに、ハンモックを楽しんだり、カーテンや家具等
で間仕切り、住みながら居場所をカスタマイズ出来る
考え方です。

つまり、ご家族のライフスタイルを支える柱・梁が
どの位置にあり、どのように体験されるか、風情や
雰囲気が皆で共有出来るよう工夫した模型といえます。
本件は、この模型の確認をもって基本設計が終了。
実施設計に入りました。温まった空気が上昇する性質を
利用した自然換気システムを取り入れる予定ですが、
設備と構造検討の連携・打合せにも、分かり易い
この模型が大変役立っています。

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◆階段で上下に視線や気配が繋がる魅力や、現しの
 柱・梁の風情を、施主ご家族と共有する。

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◆勾配屋根を支える梁と、居室の関係が明確に分かる。

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◆ご家族が楽しみにしている屋外テラス。
 屋内階段-居間-テラス-庭、の関係がよく分かる。

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◆構造検討の打合せに模型を持参。関係者に様々な視点
 でみて頂くことで、貴重な意見も頂きました。

 

『ぐるっと回れる家』概要

母+夫婦+3人の子供たちが住まう2世帯住宅。
1階は母の寝室と居間。2階は家族の成長に合わせて
間仕切ることが可能なワンルームです。階段を中心に
ぐるっと回れる空間で自由度とゆとりを生み出します。

建物用途:2世帯住宅
構造規模:木造2階建て
敷地面積:205㎡(62坪)
建築面積:73㎡(22坪)
延床面積:137㎡(41坪)
所在地:横浜市

設計:古川都市建築計画一級建築士事務所 古川達也