『屋外と屋内とその間がある平屋』が竣工しました。

2023年03月19日

 

『 屋外と屋内とその間がある平屋 』
 

<建築概要>
農作業を日常とするご家族の住まう家。休憩や農作物の一時置き、道具のメンテナンスや車両の横付け、来客の立ち寄り空間として、屋外と屋内の間を広く確保しています。縁側や土間空間、深い軒下空間など、住まい屋内と屋外の中間的空間を重視し、利便性と快適性を目指した住まいです。

場所:神奈川県相模原市緑区   
用途:一戸建て住宅
構造:木造平屋建て
敷地面積:319.92㎡(96.78坪)
建築面積:123.15㎡(37.25坪)
延床面積:121.31㎡(36.70坪)

建築設計:古川都市建築計画
構造設計:リーフ・アーキテクツ・デザイン
施工:(有)山崎建設設計事務所、棟梁:佐藤明
敷地測量:株式会社ランデックス
地盤調査・地盤補強計画:HGサービス株式会社
埋蔵文化財調査:相模原市文化財保護課
土工事・基礎外構工事:(株)鳶山口工業
屋根板金工事:株式会社高木
断熱工事:株式会社キムラ
左官工事:佐藤達左官
塗装工事:有限会社山口塗装
内装工事:内田工芸
電気設備工事:松石電気
給排水設備工事:日湘工業株式会社
浸透系コンクリート工事:PUMPMAN株式会社
合併浄化槽工事:相模原市

 


山並みと呼応するシンプルな切妻屋根の平屋。玄関の目隠しや風除け機能を担う木板壁が、住まいの顔になっています。
 


農作業のトラックにも充分に耐荷重対応、無数の穴が開いた外構コンクリート床「Dotcon (PUMPMAN株式会社)」が実現。敷地内で雨水を自然浸透させ、土地の呼吸を止めない画期的な特許技術です。神奈川県初採用とのこと。
 


もとは敷地全体が田畑で前面道路より低い。道路との境は程よい植栽を予定しています。今後施主ご家族が楽しみながら植えていきます。
 


車両も横付けしやすい深い庇のポーチ。木板壁の両側から玄関引戸へアプローチ可能。
 


農作業の休憩ができる玄関土間。スロップシンクで直ぐに手も洗えて便利です。引戸を開けると、居間のキッチンにも縁側にも、直接最短で行ける間取り構成。風が気持ちいい季節は、玄関引戸を開けたまま過ごす想定です。
 


玄関土間にある、もう一つの出入口としての勝手口(引戸)。農作業中の主動線で、作業中でも下足のまま使用出来るトイレと縁側に直結しています。
 


泥汚れなどジャブジャブ洗えるスロップシンクや、下足で使えるトイレを備えた広い玄関土間。農作業仲間と、立ち話ならぬ座り話が出来るベンチや靴箱は、家族に合わせたオリジナル造作です。お茶飲みできるミニテーブルを置く予定。
 


屋外と屋内の間にある玄関土間。例えば農作業の長靴をベンチに座って楽に履く。立ち座りは手触りの良い木製(杉材)手摺が助けとなり、その手摺は居間や寝室まで続き快適です。玄関マットの大きさや形状は、住まい手が楽しみながら決めます。
 


手触りの良い大工さん手作りのオリジナル木製(杉材)手摺。
 


杉の梁を現しとした居間空間。棟梁手作りの神棚が心強いです。住まいの主要材は柱や梁など全て地元産のスギ・ヒノキ。床も幅広のヒノキ無垢板材で気持ちいい。引戸を開けると、主寝室と居間と縁側が一気に繋がります。
 


縁側から直接来客をお迎え出来る畳室。里帰りのご家族や農作業を手伝うご親族、農業体験の子供たちが来ます。引戸の先には、洗面トイレなど水回りまで手触りの良い木製(杉材)手摺が続き快適です。
 


手触りの良い木製(杉材)手摺は、将来介助もしやすい広いトイレの中まで連続。とても安心です。
 


使い勝手など、ご家族皆で選定したシステムキッチン。奥には洗面・トイレ・脱衣・風呂が家事動線最短で配置されています。
 


オープンスタイルのキッチン。居間との境はオリジナル造作家具の幅広カウンター棚。丸穴の下にはコンセントがあり、配線が邪魔にならない。
 


居間やキッチン、畳室や玄関土間と、引戸で繋がる縁側空間。大きな掃き出し窓は、親しい来客を南庭から直接招いたり、梅干づくり作業などが快適に出来るよう意図しています。
 


地域との繋がりを大切にしてきたご家族の、新しい住まい。未来の暮らしと地域の活動を応援出来る住まいが実現しました。

 



ご家族が毎年手掛ける、手作りの梅干づくり。遠方のファンからも発注のある評判の美味しい梅干です。新しい住まいの南庭で、大変楽しみな再スタートとなります。

 

写真:古川都市建築計画

 

店舗併用住宅の竣工スナップ写真紹介【住宅編】 @和定食屋さんの家

2019年01月10日

 

店舗併用住宅の竣工スナップ写真紹介【住宅編】
@和定食屋さんの家

新潟県上越市の店舗併用住宅「和定食屋さんの家」が竣工。お引渡し時にスナップ写真撮影しました。1階部分が和定食店。お店を営むご夫妻の住まいが2階(ロフト付き)です。天井の高いゆったりとしたリビングが特徴の2階住居部分をご紹介します。1階店舗に設置した薪ストーブの熱を蓄熱。その熱を住環境に活かし雪国の寒い冬を暖かく過ごせる住まいです。

 



道路に面する視認性の高い場所に店舗の入口を配置。また道路に面する1階窓から店舗屋内の様子も垣間見られます。住宅の玄関(左)と厨房勝手口(右)は裏側とすることでプライバシーを確保。お客様と動線が交錯しないよう工夫しています。
 




住宅は展示コーナーのある緩やかな屋内階段を上って2階で靴を脱ぐスタイル(店舗客室からもアプローチ可能)。玄関は階段下を余すことなく活用したスペースで、農機具や雪掻きの道具など十分置けるようになっています。2階の造作靴箱は特に工夫満載。下段オープン棚は来客対応・濡れた靴・ブーツなど長靴対応、上段の戸棚は家主のTPOに備えた靴置場です。下部にはスツールを置けるようにし、座って靴を履けるように備えます。多くの来客を迎える住まい手の心配りから計画されています。
 



1階から上がってくると、リビングダイニングと畳室それぞれに入室可能。襖戸の開閉により多目的に活用します。畳室はプライベートな活用だけでなく、独立させ来客を招く客室としても活用し易すいようになっています。
 



なんと畳室はリビングを客席とした落語の舞台となる予定。落語を本格的にされるご親族を招くなどミニ劇場としての楽しみな活用が想定されています。掘コタツを収納し、畳とそろった床にすることで、舞台となったり、来客の就寝スペースになったりする多目的スペースです。
 




薪ストーブの熱で暖められた空気が、掘コタツの下部スリットから出てくるしくみ。掘コタツ床全体も底冷えせず温かい。
 



天井の高い大らかなリビングダイニング。薪ストーブの熱で暖められた空気が床スリットから出てくるしくみ。また、床全体に敷き詰められた水袋(アクアレイヤー)が、薪ストーブの熱を蓄熱しているため底冷えせず温かい。床下(1階と2階の間の空間)全体に薪ストーブの熱が行き渡るようエアコンで空気を動かしています。従って薪ストーブを使わない日はエアコンの暖房機能を活用し暖気を送ります。また、夏季はエアコンの冷房機能を活用し冷気を送るよう考えられています。
 



2室を分けるシンプルなウォークインクローゼットとロフトに上がる梯子階段を中央に配置、手前が主寝室です。ロフトはご主人のスペース。クローゼット奥は奥さまのスペース。それぞれのスペースが主寝室と緩やかな間合いで繋がる構成です。
 




リビングを見下ろすことが出来るロフト。オープン棚は客布団の収納を想定しています。
 



洗面脱衣室やトイレにもヒートショックの無いよう、薪ストーブの熱で暖められた空気が床スリットから出てくるしくみです。広い洗面台の一部が座ってメイクや身支度の出来るカウンターになっています。忙しい店主ご夫妻が気持ちのON・OFを切り替える大事なスペースとして考えられています。

 

※合わせてご覧下さい。

◆上越市の店舗併用住宅計画「和定食屋さんの家」進捗。
地鎮祭と工事契約
施主・設計と各工事担当者の初打合せ
家具・建具や人を入れたイメージ模型
融雪を考慮した外構計画の現場打合せ
上棟式「お餅まき」のご案内が新聞掲載されました。
上棟式「お餅まき」の様子
工事中盤、建具・厨房機器・左官仕上の打合せ
フラット35S適合証明「中間現場検査」
屋内塗装と屋外塗装の打合せ
遠方の施主とSNS&手描きスケッチで情報共有
足場解体&外溝と屋内造作の最終打合せ
確認検査&フラット35S適合証明「完了検査」
竣工お引渡し。
竣工スナップ写真紹介【店舗編】
竣工スナップ写真紹介【住宅編】

 

足場解体&外溝と屋内造作の最終打合せ@店舗併用住宅「和定食屋さんの家」

2018年12月8日


足場が解体され、外観のお披露目となりました。
職人さんがコテを使い、繊細かつ力強く仕上げたグレー色
の左官仕上げ(アイカ/ジョリパットJP-100水墨淡色)
が印象的です。

 

足場解体&外溝と屋内造作の最終打合せ
@店舗併用住宅「和定食屋さんの家」

施主・施工・設計で行ってきました現場三者定例の最終日。
屋外では、足場が解体され外構工事全体の仕上げに向けた
方針整理。建物本体アプローチ部のコンクリート土間仕上
げと、周りのアスファルト舗装との境目位置や処理等を
しっかり確認出来ました。

屋内では、内装工事が大詰め。特に課題となっていた
店舗客室の左官壁仕上げについて、少しずつニュアンスを
変えた、数種類の実物サンプルを事前にご用意頂き、
皆で意見交換。この日一番はじめの議題となりました。

「これでいこう!」

意匠性や施工性、掃除がしやすいことや、ザラザラし
過ぎて来客の衣類等を傷つけない配慮など、バランスの
とれた左官仕上げであることが検討項目。
可能性のあるサンプルを、大きめに作って頂き、
それぞれのメリット・デメリットが明瞭だったことが
何よりでした。

なんと、全く意見が割れることなく、施主・施工・設計
みな満場一致で仕上げが決定。その後の打合せもずれ込む
ことなく進行し、最後の定例を終えることが出来ました。
ありがとうございました。


◆屋外の様子


大工さん・左官・塗装・建具・電気・給排水など担当の
皆さまの車両が敷地内にならんでいました。


足場が解体され、屋外のディテールがより身近に。
雁木(正面ポーチ屋根)の先端は、すっきりした意匠の
ガルバリウム鋼板製雨樋(タニタHACO)を採用。


雁木(正面ポーチ屋根)下は、バリアフリー動線として
スロープを設置。冬の凍結時も出来るだけ滑りにくいよう
皆で相談し、コンクリート洗出し仕上げを採用。
まさに施工中でした。


◆屋内の様子



店舗客室の左官壁仕上げについて、実物サンプルを前に
施主・施工・設計みなで意見交換。外壁と同じ仕上げ
(アイカ/ジョリパット)ですが、仕上げ工程における
素材の扱いや、コテの押さえ方等でニュアンスも様々。
なんと、満場一致で仕上げが決定しました。



店舗入り口風除室の展示コーナーの構成。ご家族ゆかりの
魚拓です。最終的に施主ご夫妻が選ばれたヒラメの魚拓を、
バランスよく配置できるよう、皆の意見をまとめ、古川が
その場で手描きスケッチの図面を作成。
どのようにおさまるか楽しみです。
参考:風除室展示コーナーの事前検討。



一階店舗、厨房と客室の様子。皆で仕上がりを想像しながら
施主ご夫妻に各部をご確認頂きました。



二階住居、リビングダイニングの様子。畳室の掘り炬燵
(ほりごたつ)のスケール感を座って確認する古川。
Jさん写真ありがとうございました!

 

※合わせてご覧下さい。

◆上越市の店舗併用住宅計画「和定食屋さんの家」進捗。
地鎮祭と工事契約
施主・設計と各工事担当者の初打合せ
家具・建具や人を入れたイメージ模型
融雪を考慮した外構計画の現場打合せ
上棟式「お餅まき」のご案内が新聞掲載されました。
上棟式「お餅まき」の様子
工事中盤、建具・厨房機器・左官仕上の打合せ
フラット35S適合証明「中間現場検査」
屋内塗装と屋外塗装の打合せ
遠方の施主とSNS&手描きスケッチで情報共有

 

家具・建具や人を入れたイメージ模型 @店舗併用住宅「和定食屋さんの家」

2018年08月1日


縮尺1/50イメージ模型。来訪者にとって正面となる北東側
外観です。雪国である新潟県上越市の地域性として、
商店が並ぶ街並みでみられる雪よけの屋根「雁木(がんぎ)」
をモチーフとした構成です。

 

家具・建具や人を入れたイメージ模型
@店舗併用住宅「和定食屋さんの家」

古川都市建築計画では設計時、図面と同時進行で模型を
作ります。プロジェクトの性格に合わせて、大きさや
表現密度なども変えつつ製作。形態や空間の特徴など
関係者皆で共有することが、模型の主な利活用です。

従って、屋根・壁などの主要な骨格だけを早めに作って
おき打合せで活用。計画の進行に合わせ、仕上げや
ディテールを後から足し引きします。
実は、工事が着工してからも打合せの深度に合わせ、
その都度模型に手を加えることも、非常に多いです。

つまり、設計が全て終わり、確認のために実施設計の
成果品として模型をつくるのではなく、むしろ案が
定まっていない状況下で、各部の方針を一つ一つ決めて
いく、検討用の道具として模型を位置付けています。

本件縮尺1/50イメージ模型も、関わる方々のアイディア
やアドバイス等に合わせ、風合いや素材感、家具や建具、
佇む人の風情なども、着工後に手を加えています。
建物が竣工するまで、少しずつ進化する模型として、
プロジェクトの進行に役立てています。
 

※合わせてご覧下さい。
着工後、工事関係者と模型を使った意見交換の様子
地鎮祭と工事契約の様子
 


北側外観。1Fは店舗で2Fが住宅です。雪国である新潟県
上越市の街並みでみられる雪よけの屋根「雁木(がんぎ)」
が店舗の入り口となり、待合いとしてベンチも配置。
雁木は、雪かきを軽減する快適なバリアフリー動線として、
車椅子にも対応するスロープを備えています。


北西側外観。西側1Fの庇下に、住居出入り口と店舗厨房
の勝手口を配置しています。


雁木の店舗入り口から入ると正面に薪ストーブが見えます。


オープンスタイルの厨房。客室は20席で、施主ご夫妻が
全体を丁寧にケアできるワンルーム。
手前のリラックスしたスペースと、奥の落ち着いたスペース
が緩やかに繋がる構成です。


開口部に、あえて格子を設けることで、落ち着いた雰囲気
のスペースを生み出します。


客室全体の構成。客席は椅子テーブルの移動で、様々な
人数構成に対応。レジの上は神棚を設置。


厨房からみた客室。お客様の出入りを把握出来るよう、
店舗出入り口が見通せる工夫をしています。


客室と厨房の境は、食の提供や飾り棚など、和定食屋さん
としての利活用や風情など模索中。まだまだ進化の予定。



2F店主ご夫妻の住居、リビングダイニングと畳室。
掘りコタツのある畳室は、リビングと建具で仕切ること
が可能。公私で活用するフレキシブルスペースとして
位置付けています。

 

模型に屋内家具・建具や人を入れる検討

本件は工事が着工してから、具体的な仕上げや造作などが
決まってきていることもあり、施工担当者の皆さまとの
打合せ日程に合わせて、皆で確認したい造作家具などを
付け足しています。
やはり、家具・建具や人などを入れると、各部のスケール
感や空間の目差すところが、とても分かり易くなります。




1F和定食屋さんに、造作家具等を入れる前と後の状況。




2Fリビングダイニングと畳室に、造作家具等を入れる
前と後の状況。



リビングと畳室の関係も、家具・建具・人などを入れる
ことで、風情や課題が関係者間で共有し易くなります。

 

<「和定食屋さんの家」概要>

和定食のお店を独立開業するご夫妻の住まいです。1階が店舗スペース、2階がご夫妻の住まう居住スペース。来客が多いライフスタイルから、店舗だけでなく住空間においても、来客を楽しくお迎え出来るよう工夫しています。外観は雪国である上越市の地域性として、商店が並ぶ街並みでみられる、雪よけの屋根「雁木(がんぎ)」をモチーフとした構成が特徴です。

場所:新潟県上越市
用途:店舗併用住宅(1F店舗、2F住宅)
構造:木造2階建て(ロフト有り)
敷地面積:381㎡(115坪)
建築面積: 96㎡(29坪)
延床面積:157㎡(48坪)

弘明寺マンションリフォーム「続きのある家」 竣工スナップ写真公開

2018年04月1日

 

『続きのある家/弘明寺』
 
~そよ風流れるマンションリフォーム~
 
<概要>
景色の一番いい南側の畳室をフローリングにしてベッドを置き、快適な寝室にしたいけれど、全体として上手くいくでしょうか?というお題からスタートした計画。テーマは「続き」のある心地よさ!そのままでも大きな問題なく住めるお住まいでしたが、部屋と部屋の繋がりをより丁寧に再考。建具の開閉で、行き止りなく常に「続き」を感じる空間が理想と気が付きました。よどみなく繋がる空間は、視界・風通し・自然光が途切れずとても快適。自身のみならず来客を招き気ままに過ごせます。また、最短の家事動線・生活動線を実現することで、将来の介助サポート等もお願いしやすい空間になりました。永い目で見た安心・安全が確保され、リフォーム前には無かった心地よさが感じられます。

場所:横浜市南区   
用途:マンション住居(3LDK)
   50代女性一人暮らし
   サニタリースペースを中心としたリフォーム
構造:RC造、3階住居内の改修
住居面積:60㎡(18坪)

基本設計:高島屋スペースクリエイツ
     古川都市建築計画
実施設計・施工:株式会社横浜合板商会
写真:古川達也

 


リフォーム後、玄関正面の様子。玄関床タイル・石材の上がり框や靴箱等は既存をそのまま採用。廊下床は、居室全体共通仕上げとして元のカーペットから全てフローリングに張り替えています。リフォームにより、北側玄関で、はじめて南側窓の自然光が、感じられるようになりました。
 


before
玄関正面にサニタリー空間(風呂・脱衣・洗面)があり、自然光は全く入らず、暗く風通しが悪い状況でした。


玄関は床・壁の仕上げを変える程度で建具そのものも以前の風情を変えていない。玄関左にトイレがあり本工事で使いやすく改修しています。


サニタリー空間に必要な洗濯機の配置を変え、正面の壁を撤去することで、自然の光と風が感じられるようになった。軽く丈夫なポリカーボネイト製で光を通す引戸で仕切る。


引戸を開けると南の寝室に直接繋がり、スムーズに行来出来ます。朝の身支度。風呂上がりの休息。深夜のトイレ。将来は介助サポートもし易い構成です。


北側にあった寝室を、景色の良い南側に配置。朝日で目覚める、かけがえのない気持ちよさが実現。


before
元々はリビング横の畳室。お仏壇をよりよい所へ移動。大量の衣類クローゼット機能を納戸に集約することで、使いにくかった押入れを解体する計画となりました。


建具を開けることで、寝室と繋がるサニタリー空間を介し、玄関まで見通せるようになりました。



洗濯したものが、南のベランダに直ぐ干せるだけでなく洗濯機乾燥したタオルなど、直近の収納にそのまま出し入れ出来る便利さが実現。


寝室とリビングの境は引込み戸とし、完全に仕切ることや、あいまいに仕切ること等、生活シーンの中で楽に調整出来る空間です。


before
リフォーム着手前のリビングダイニング。


リフォーム後のリビングダイニング。着手前の状態からリビングとダイニングの関係を入替えています。奥にあったダイニングテーブル椅子を手前に移動することで、来客と気軽にお喋りやお茶を楽しむことが出来るようになりました。可変性のある照明器具は、多様なシーンに対応します。家具は元々使っていたものを、全てそのまま活用。


リフォーム前はカーペット。マンション規約にあった遮音等級LL-45に対応する建材を選定することで、フローリング仕上げが実現します。今回、住まい手がイメージしたのは「印刷された木目でなく本物の木材で、しかも古材のような素朴で温かみのあるフローリング」。数ミリの無垢ナラ材を仕上げとしたフローリング商品を選択。住まい手が持っていたソファー生地やラグにもよく合う。集合住宅用直貼防音床材として店舗用にも使われるタフな商品を居室全体に採用し、とても素敵な風情となりました。


before
リフォーム着手前の洗面所。自然光は全く入らず、暗く風通しが悪い状況でした。


寝室と自然光を通す引戸一枚で繋がる洗面所になりました。そのままパウダールームになって便利。実はここの床仕上げだけは濡れやすいので、他居室のフローリング意匠に近い木目調の塩ビシートを採用。


before
リフォーム着手前のトイレ。手洗いや棚が便器の奥にあり、使いにくい状況でした。


開き戸だった出入り口を引戸にしたトイレ。トイレ小物が収納しやすく、手も洗いやすくなりました。住まいは何より水廻りが快適で楽しく活用できることで、本当の安らぎが得られるのではないかと思います。