対面とオンラインを同時に行う課題設計エスキス指導の様子

2021年10月26日


TAにセッティング頂いたエスキス場所。テーブルを囲み5名の学生が自分の順番待ちで待機。iPadは書き入れ用、ノートPCにはオンラインで出席する学生が表示されます。ストップウォッチは、私自身でスタートさせ4分で次の学生に替われるよう時間配分しながらエスキスを進めます。

 

芝浦工業大学環境システム学科2年生後期選択授業「建築デジタルデザイン」。学生各自がBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトを使って課題設計を行う授業です。提出物は紙に印刷することなくPDF(ポータブル・ドキュメント・ファイル)提出のため、Web環境を使ったリモートでも受講可能な授業と言えます。一方で、建築デザインにおける設計の過程や直接対話による意見交換を重視する考えから、学生通し互いのエスキスを横で聴いて参考にする状況を積極的につくりながら、学生皆さまと講師が対面で行うエスキス指導を基本とする授業でもあります。

今年は非常勤講師としてこの授業を担当し15年目となりますが、初めて対面とオンラインを同時に行うことになりました。(昨年の2020年はコロナ禍で全てオンライン、それ以前は全て対面でした。)終息の兆しが感じられるコロナウイルス問題ですが、未だ感染リスクが無くなったとは言えないこともあり、学生からは「是非対面で行いたい」「オンラインで自宅や実家から受講したい」「別授業で大学には来ているがリモートで受講したい」など様々な希望があるのが実状で、その全てに出来るだけ公平に対応する指導が求められていることが理由と言えます。

約80名の履修者。エスキスは大槻成弘先生と古川の2人でそれぞれ40人を担当。授業時間内で全員と対話するには一人4分です。1分で学生がプレゼンテーション、3分でアドバイスする配分で進行。ストップウォッチをスタートさせ時間がきたらストップ。速やかに次の学生に替わり次の4分がスタート。学籍順でこれを繰り返していくのですが、途中、オンラインで参加する学生も同じように行うため、エスキスで用意する各自のスケッチや、図面は前日までにPDFデータで提出されており、私はiPad上でApple Pencilを使って書き入れ指導しています。

時間のロスを少なくするため、学生皆さまは5人づつテーブルを囲み待機して頂きます。実はこれによって自分以外のエスキスを聴くことになるので、互いに自身の学びにもなっているという考え。エスキスで書き入れたデータはアーカイブに残り指導の音声も全て録音されますので、学生皆がオンデマンドで振り返り学習もできるという仕組み。これら機器をセッティングし段取り全てを大学院生2名のTA(ティーチング・アシスタント)が組み立て用意頂くことで成り立っている授業と言えます。澤田研究室TAの井出くんと強瀬さん、いつもありがとう!