大きなオリジナル造り付け収納棚製作のジョイント方法
横浜市戸塚区の個人住宅「2つのテラスをもつ家(仮称)」は、あと2ヶ月で竣工。いよいよ屋内の仕上げや造作工事がクライマックスを迎えます。空間に合わせて設計している屋内造り付け家具の製作が始まり、調整打合せを兼ね工場で貴重な製作過程をみせて頂きました。担当は中山建設家具職人の五味さんです。
大きな造り付け家具は、分割して製作し後で繋ぎ合わせ、必要な寸法の家具を実現します。分割することで現場への輸送・搬入も可能になりますので、合理的で質の高いジョイント技術は、造り付け家具の可能性を広げる、とても重要な技術であることが分かります。
例えば、洗面脱衣室の収納棚は、完成すると壁面と一体となり床から天井までいっぱいの収納力抜群、大きな壁面収納棚となります。上下半分づつ製作し、中程で繋ぎ合わせるのですが、そのジョイントに、ドイツ製の特殊な道具と部材を活用しており、五味さんにその詳細を解説して頂きました。
専用の彫り機で確保した穴に、ジョイントするための金物を互いに埋め込み、外側から六角レンチで締め上げることで引き寄せられるしくみ。殆ど継ぎ目が分からないほどの精度で、別々に造られた家具が一体になります。再度解体して現場へ搬入し、同じ方法で組み立て再現できる。すごいですね。
本件住まいでは、さらに大きな造作家具があり、このシステムで実現して頂きます。安心して製作をお任せできる頼もしい技術ですね。完成が楽しみです。
六角レンチで引き寄せジョイントすると、殆ど継ぎ目が分からない素晴らしい精度です。すごいですね。