オフィスサロン計画『LOUNGE ZERO』 竣工

2020年10月31日

 

『 LOUNGE ZERO 』
 

<建築概要>
IT系企業のオフィススペース。住宅仕様の空きスペースを、スタッフの休憩、ミーティング、接客スペースを兼ねたサロン空間とする計画です。賃貸スペースのため、裏方を隠すナラ材の木板壁は天井から僅かに離し、置き家具として設計。パーティーやリラックスした商談が出来るなど、プレゼンテーションに必要なデュアルモニターの設置やフレキシブルな空間が求められました。ゼロベースで新しいアイディアを生み出す場所として、スタッフ皆様の意見交換でLOUNGE ZEROと名付けられました。

場所:東京都世田谷区
構造:RC造6階建て
工事内容:5階部分リノベーション
延床面積:35.34㎡(10.69坪)
設計:古川都市建築計画
施工:中山建設
写真:東涌宏和

 


撮影:古川都市建築計画
 

 

 

 


撮影:古川都市建築計画
 

 

 


撮影:古川都市建築計画
 

 

 

 

 

建築家アルネ・ヤコブセンによるデザイン「セブンチェア」の修理

2018年09月14日


購入から約10年。ある日食事中にパキッという鈍い音。
自宅のダイニング椅子4脚のセブンチェアのうち、私の座
っている椅子1脚の背座板が取れ、壊れてしまいました。

 

建築家アルネ・ヤコブセンによるデザイン
「セブンチェア」の修理

北欧デンマークの建築家、アルネ・ヤコブセンによる
デザインの「セブンチェア」。
フリッツハンセン社が製作、同社を代表する椅子で、
世界で初めて、背座一体三次元曲面の成形合板による形状
を実現したアントチェアの後継として、
1955年に誕生したと言われています。
座った時に背もたれがしなる柔らかい座り心地。
軽く持ち運びが容易であるだけでなく、傷つくこと無く
スタッキングが出来て、重ねても美しいデザイン。
個人住宅のダイニング椅子だけでなく、店舗やオフィス、
公共施設などの椅子としても幅広く活用され、
世界中で愛されています。

自宅のダイニング椅子として、購入してから約10年。
一か月前のある日、食事中にパキッという鈍い音。
4脚あるセブンチェアのうち、私の座っている椅子1脚の
背座板が、特に前触れなく取れて壊れてしまいました。

こんなディテールになっているのか?!

金属製の脚と合板の接続部分が、プラスチックのパーツ
により接着剤のみで取り付けてあることが、壊れて
みてはじめて分かりました。
中央のたった一本のビス止めは、おそらく接着剤固定の
位置出し等に必要なもので、強度を約束するような
おさまりではありません。もしかすると、背座板が外れた
際、一瞬で脱落してしまうことを避ける、最後の安全確保
が主旨なのかもしれませんが、定かではありません。
とにかく、残念であるというよりは、驚き。
性能やコスト等あらゆるバランスを考えた選択のはず。
考え抜かれたディテールに、接着剤のみの貼り付けを
採用していることに驚きました。

そしてさらに驚き。

なんと、製作したフリッツハンセン社では、修理不可。
本当?!
再生する場合は、新たな背座板を購入するかたちで、
金属の脚と接着剤で固定する方法しかないようなのです。
つまり、正規店では今まで使ってきた愛着ある背座板を
使えないことになります。(もし正規店で修理可能と
いう情報がありましたら知りたいです。ご一報を。笑)

インターネットで調べたところ、ありました。
ヴィンテージ家具を扱うDECO-BOCO横浜店
きちんと修理できる方法をみつけ、修理を受け付けている
お店です。しかも有り難いことに、偶然にも
自宅から車で20分ほどの場所。
問い合わせたところ、車で持ち込み、2週間以内で
出来るということで、早速お願いしました。
無事もと通り、なおりました。全く問題ありません。

大切なものづくりです。

詳しい修理方法は、DECO-BOCO横浜店のホームページで
確認出来ますが、概略としてはオリジナルのプラスチック
のパーツを、独自開発した木製パーツに変えることにより
ビス等でしっかり固定するアイディア。家具の癖や
個体差に注意しながら、都度ハンドメイドで対応する
確かな技術と精度が、家具再生を支えていると感じました。
大切なものづくりです。


ヴィンテージ家具を扱うDECO-BOCO横浜店



フリッツハンセン社オリジナルのプラスチックパーツを、
DECO-BOCOで独自開発した木製パーツに変えることにより
ビス等でしっかり固定し、再生している。



DECO-BOCO横浜店の飯島さんから、直ったセブンチェア
の受け取り。金属の脚もピカピカにして頂き嬉しい^^

 

施主・設計と各工事担当者の初打合せ @店舗併用住宅「和定食屋さんの家」

2018年07月26日


工務店さんオフィス内。模型を使い、目指すところを
確認しながら進行。途中から、施主奥さま自ら模型を
回転させ、空間の特徴を解説する場面もあるなど、
和やかな打合せとなりました。

 

施主・設計と各工事担当者の初打合せ
@店舗併用住宅「和定食屋さんの家」

無事着工し現場では基礎コンクリート工事が進行する中、
施主・施工・設計三者定例(月一回)の、初回打合せ
が行われました。

現場監督担当の小林さんにコーディネート頂き、
工務店オフィス内で、順番に各種工事担当の皆さまと
顔合わせを兼ねた初回打合せを行うという段取りです。
給排水衛生設備 みつわ住設株式会社 小杉さん → 電気
設備 株式会社矢野電機工業所 荻井さん → 屋外サッシ
株式会社保坂屋 村松さんと概ね一時間おきにお会いし
ました。特に設備配管に関する内容は、既に進行中の
現場基礎コンクリート工事に関係する部分もあるので、
関係者相互の内容理解が大切です。

設計意図や内容を情報共有、工事ご担当からの現場調整
や変更のご提案など、意見交換をする大事な初回。
設計時に作製したイメージ模型をフル活用しました。
「こういう事だったのね、、」
「この部分が邪魔になることが課題ですね、、」等々。
模型は、全てを詳細に表現したものではありませんが、
概ねを理解するには充分。誰もが口を出せる状況を
生み出し易いアイテムと言えます。
図面で分かりにくい部分も、模型を囲み、皆で見て触れて
意見交換することで、様々な気付きや発見に繋がりました。

途中から、模型を見易いように回転させたり、携帯照明
をあて、暗い部分を照らしたり、設計者である私が行う
はずのサポートを、施主ご夫妻自ら行う場面もあり、
和やかに進行。とても良い打合せが出来ました。
 




模型、図面、建材サンプル、カタログを行き来しながら
情報共有の確度を上げていく打合せです。



模型を至近距離でのぞくと、とても臨場感があります。
写真は1階店舗部分の様子。入り口正面に薪ストーブが
見える構成です。

 

現場では、基礎コンクリート工事の配筋作業が進行中。
設計者の立場(現場監理)で検査をさせて頂きました。
1階が店舗のため、コンクリート土間を居室床仕上げ
高さまで上げることや、基礎の外側に断熱処理をするなど、
少し特殊な方針を採用しています。
厨房となる場所だけは、配管のためコンクリート土間を
下げる繊細な調整も、きちんと施工頂いていることを
確認しました。関係の皆さまありがとうございました。



 

※合わせてご覧下さい。
地鎮祭と工事契約の様子

 

地鎮祭と工事契約 @店舗併用住宅「和定食屋さんの家」

2018年06月27日


地鎮祭の様子。施主、施主ご親族、施工、設計、
関係者みなで立会い、執り行うことが出来ました。

 

地鎮祭と工事契約
@店舗併用住宅「和定食屋さんの家」

大安吉日のこの日、新潟県上越市の店舗併用住宅
「和定食屋さんの家」建設地にて、土地の神を祭り、
無事の工事を祈る「地鎮祭」が行われました。

施主、施主ご親族、施工、設計、関係者みなで集まる
ことが出来ましたので、敷地境界や内外環境の再確認、
雪降る町ならではの敷地内融雪の方針など、
ざっくばらんに意見交換。大変良い機会でもあります。


祭事の終盤、土地の四隅をまわりお酒で清めたあと、
皆で少々のお酒を頂くのですが、
いっしょに昆布とスルメが配られ食べました。
全国的には多い風習なのでしょうか、私自身は初めて。
一つ一つが、地域性を感じる貴重な経験となりました。


本件工事のご担当は、上越市を拠点にご活躍される
株式会社カネキ屋工務店さんです。
実施設計図をお渡しし同時に数社で見積り算出して頂く
「相見積り」を経て、施主・設計・関係者相談の上、
最終的に満場一致で決定いたしました。

地鎮祭後、カネキ屋工務店さんオフィスに移動。
本件施主と施工者の間で交わす「工事契約」の手続きが
行われました。
事前に準備頂いた書面を、皆で確認するかたちで進行。
木造の優しくシンプルなオフィス空間でリラックスした
雰囲気のなか、ご契約に立ち合うことが出来ました。

このオフィス空間の設計は、本件工事担当の小林さん
とのこと。とても素敵でした。



今回の建設場所は、海岸から1キロ圏内。
夏の蒸暑さと積雪ある冬の寒さ対応が必須となります。
その対策として本件建物で採用する水蓄熱システム担当
株式会社イゼナ前田さんに、終日ご助力頂きました。

イゼナさんの計画は、薪ストーブの熱を無駄なく蓄熱し、
人の出入りが頻繁な店舗と住空間を上手く暖めるという、
シンプルで新しい発想のしくみです。担当前田さんの
ご提案で、採用予定の薪ストーブを実際に燃焼させ、
現場に活かせるよう熱の伝わり方を専用の計器で計測・
分析する作業をご自身で行って頂きました。実験場所は、
本件薪ストーブ販売施工の有限会社グッドライフ上越さん。
担当の伊藤さんに、ご協力頂き無事実験が出来ました。
ありがとうございました。

雪降る町、上越市の店舗併用住宅「和定食屋さんの家」。
いよいよ着工です。



『アウトドア・サイン計画』 竣工スナップ写真

2017年07月31日

 

『アウトドア・サイン計画』

<概要>
木の魅力を活かした家づくりを追求する、株式会社中山建設様の屋外看板計画。道路に面する視認性の高い場所への配置から提案。オフィス兼作業場環境の敷地全体再生計画における一部であり企業イメージディレクションとしてのアウトドア・サインと位置付けています。ブランディングやランドスケープなど多様な視点から、関係者と共に意見交換を重ねたコラボレーションデザインです。

場所:神奈川県横浜市
構造:木造
コンセプトデザイン:古川都市建築計画
製作:中山建設
ロゴデザイン:塚本浩史
ロゴ加工:塩原直子

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『住まいと暮らしのコンシェルジュ』模型展示 @二子玉川駅

2017年03月11日

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◆展示ブースの様子。
 住まいの一部にクリーニング店のある店舗併用住宅
 『洗たく屋さんの家』を展示しています。

 

『住まいと暮らしのコンシェルジュ』模型展示
@二子玉川駅

場所は二子玉川駅改札から直結するコンコース。
土地探しや住まいづくりなど、気軽にアドバイス頂ける
東急電鉄住まいと暮らしのコンシェルジュにて、
建築家紹介コーナーを設けて頂いています。
建築家31会メンバーで担当し交替でブースに展示。
同時に、予約制の個別セミナーや
ざっくばらんな相談会も開催しています。

現在、わたくし古川達也が担当。期間3/11(土)~24(金)
住まいの一部にクリーニング店のある店舗併用住宅
洗たく屋さんの家』を展示しています。
店舗併用住宅とは、住まいの一部に店舗がある住宅の
ことですが、実はクリーニング店に限らず、
理容室やカフェ、アクセサリー店や駄菓子屋さん、
アトリエやガレージなどなど、住まいの一部に店舗や
オフィス等がある住まいは、意外と多いケース。

 

住まいに店舗の看板を付けるだけでは
店舗併用住宅に成りません。

もちろん、住まいに店舗の看板を付けるだけでは
暮らしに活きる、店舗併用住宅には成りません。
そこには、機能性や経済性、快適性や意匠性、
法的な整理や、永く使うための柔軟性、
街並みや、まちづくりの視点からも、地域に愛される
住まいづくりのノウハウが必要です。
古川都市建築計画は、店舗併用住宅の設計を、
大変得意としております。

気軽にお立ち寄り頂き、是非展示をご覧下さい。
詳しくは、古川都市建築計画までお尋ね下さいね。

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◆明るい雰囲気のコンシェルジュ一角で、ブース展示。

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◆古川展示の様子。自由に持ち帰り頂ける、事務所案内
 リーフレットを置いています。模型と同じインテリア
 が実際の写真でご覧頂ける写真ファイルを備えました。
 是非お手にとってご覧下さい。

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◆頼れる物件情報も満載。買い物ついでに気軽に立ち寄れます。
 東急東横線車両内でも、ご案内されています ♪

 

※311東日本大震災の復興を願っております。
 古川達也

 

企業イメージディレクション提案 ~アウトドア・サイン計画~

2015年02月15日

20130717全体
◆アウトドア・サイン計画

 

企業イメージディレクション提案

木造住宅を中心に、木の魅力を活かした家づくりを追求し
続ける、株式会社 中山建設様から、オフィス兼作業場環境
全体の、再生計画をご依頼頂きました。
いつでも来客を迎えられる安全で心地良い空間。何より
働く職人の皆さまが気持ちよく作業出来て笑顔になれる空間。
特に子供たちが、ものづくりを楽しみ、何度も遊びに来たく
なるようなワクワクする空間。多くのテーマを社員の皆さま
と共有し、企業イメージディレクション(企業の目指す方針)
を共に育て、デザイン提案するプロジェクトです。

アウトドア・サイン計画は、並行して進めるアウトドア・
スタジオ構想
など全体再生計画で最初に着手する予定の提案。
道路に面するエッジとなる部分、まさに顔となる場所に
設置する、縦横3mのウッドフェンス状の屋外看板です。

大きさがかもしだす高揚感。スクエアなプロポーションによる
チャーミングなイメージ。全体計画のほんの一部ですが、
来客の期待感を受け止め、各施設へ自然に誘導案内するだけ
でなく、今後の中山建設様イメージを先導するサインと考えて
います。

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全体計画のイメージ模型
上が既存オフィス兼作業場。右側をワークショップの出来る
ショールームとして環境を整えつつ、L字型にアウトドア・
サインを配置しています。

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◆現地調査の様子。
ガーデンプランナー草のよしだや吉田龍さん、
中山建設中山周平社長と共に、周辺との取り合い、周囲から
の見え方など、風情や寸法を共有することが出来ました。

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◆アウトドア・サイン概略図(数案の1つ)

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◆中山建設様ショールームでのプレゼンテーションの様子。
関係者皆さまにお集まり頂き、アウトドア・サインを含めた
全体構想をプレゼンテーションさせて頂きました。
たくさんのヒントが得られた良い機会でした。

 

第一課題「馬車道のオフィスビル」提出

2014年11月15日

 
関東学院大学 建築環境学部2年生必修授業。
第一課題「馬車道のオフィスビル」の提出でした。

学生約170人の模型がズラリ並び圧巻です。
いびつな形状に挑んだ提案。。
通りを引き込んだ提案。。
馬車道の風情を強く意識した提案。。
オフィス空間そのものの新たなあり方を目指した提案。。

様々なプレゼンが見られましたが、
要求図面、模型、イメージパースなど
バランス良く提出され総合力が発揮できた案の
評価が高かったように思います。

◆始めに際立った案を選定します。
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◆先生方々全員で意見を出し合い一つずつ評価します。
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皆さまお疲れさまでした。
第二課題は昨年同様「金沢文庫ミュージアム」
次週は、実在する課題敷地に現地集合です。

悔いを残した学生諸君?
くやしい思いをした皆さま?
リベンジです!!
また、頑張って参りましょう。
 

◆集合場所を発表し授業終了です。みんな来てね。
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