縁あって、展示用のミニチュア家具模型を製作することに。
普段の設計実務において、
クライアントや関係者の方々などに、
設計の方針や、空間イメージを伝えたりするために
模型をつくる機会は多いです。
ただ一方で、
私の場合、制作する模型は、あくまで何もないところから、
新たなモノを生み出す時に手を動かすことが多く、
設計者として、既にあるものを、ミニチュア模型として
精度よく再現することは、機会としてまれです。
まずは、製作する実物家具を、ショールームで実際に
触れて、よく観察するところから。。
そして、対象家具の大きさ等がわかる図面を頂きました。
再現サイズは。縮尺1/50で、かなり小さめ。
そのままを模型にしようとすると、かえって
上手く特徴が表現出来ないため、
部分的に簡略化したり、誇張して表現したりする
バランス感覚が大切です。
ミリ単位の寸法や、工夫あるプロポーションを、
頭と身体で感じる良い機会となり、
かなり勉強になりました。
自身の設計活動にも、いつか活きてくるように思います。
奥のダイニングセット、ソファ、コーヒーテーブルが対象。
色や素材感の特徴をつかみ、模型としての表現を模索。
頂いた図面と、撮ってきた写真を確認。各部のデフォルメに
によって、小さな模型で表現出来る魅力を整理。
ソファは、2mmのスチレンボードのみで製作。
山吹色の実物に対し、ゴールド色のスプレーにより
小さくした際に、色と素材感が伝わることに気が付き採用。
ダイニングチェアは、スノーマットを切り出して製作。
全体を3つのパーツで構成すると、実物の特徴に近いと
分かり採用。いくつか試作することでバランスを決定。
小さくても曲面であることが分かるよう、
背板のカーブを実際より誇張することにしました。
並べたり集めたりしながら、家具相互の密度感や
テイストのバランスを検討。
こげ茶色のダイニングチェアは、実物と同じ色だと
ブラック色に見えてしまい重いので、少し明るめの
ブラウン色を採用。
位置を決め、扱いやすいよう市販のメッシュ板
に家具を固定。完成です!