施主ご家族と住まい建設予定の棟梁と意見交換

2022年04月9日


施主宅で打ち合わせ。左奥が棟梁の佐藤明さん。

 

相模原市緑区の木造平屋建て個人住宅計画。確認申請に向け、構造設計や細かな仕様を詰めていく段階です。施主宅に集合し、施主ご夫妻が希望する住まい建設予定の棟梁(佐藤明さん)と意見交換。設計内容を磨く機会となりました。出来るだけ施工時に困ることのないよう、設計の過程で事前に大工さんと目指すところを共有していく打合せと言えます。

建物外周部は4寸角(120×120)柱とし内側は全て3.5寸角(105×105)柱とすることで、性能と経済性のバランスをとる設計で進めていました。施主ご家族が希望する地元産の木材で建てる家づくり。自然乾燥し倉庫に保管してある地元スギ・ヒノキ材を棟梁に見て頂いたところ、本計画の柱は全て4寸角ヒノキ、梁は全て4寸幅のスギとして、材料が確保できることが分かったことをお聞きし、その方針に切り替えることを皆で決めることが出来ました。

具体的には、本件構造設計担当のリーフ・アーキテクツ・デザイン関野さんによる構造図をもとに、棟梁が倉庫の木材を製材。曲がったものや不揃いの材を、棟梁の目利きと手仕事で加工し易い状態まで高めます。その木材を予定しているプレカット工場に運び、現場で円滑に組み上げられる状態まで機械加工する段取り。昔からある手仕事と近代的技術を融合させることで、地元産木材を活かしきる住まいづくりを実現させます。

図面だけで読み取りにくいと思われる部分も、その場で直接棟梁から質問頂くことで、ニュアンスや工夫のいろはを、相互に意見交換出来ました。特に、外壁仕上げではモルタル下地の上に吹き付けをする計画で進めていますが、棟梁と連携される地元左官屋さんによる現地の環境に合った下地のつくり方で、設計の主旨をより合理的に実現する仕様で進められることが分かり、とても良い機会でした。

 


写真:施主娘さん撮影

 

木材プレカット工場で上棟に向けた調整打合せ @縁側サンルームの家

2019年03月18日

 

木材プレカット工場で上棟に向けた調整打合せ
 

横浜市保土ヶ谷区の新築住宅計画「縁側サンルームの家」。既に着工の段取りが進む中、指定確認検査機関による建築確認申請及びフラット35S(金利Aプラン)設計審査が終了したタイミング。中山建設石谷さんの声掛けにより、上棟に向けた工場での木材プレカットと設計との整合確認を工場(株式会社マツモトさんオフィス&工場)で直接行うことになりました。
もちろん初めてでなく、私としても図面データをメールでやり取りしたり、互いに赤チェック受発信を繰り返すより間違いが無く、ニュアンスも共有出来るので、以前からとても良い機会であると思っています。

今回は、中山建設石谷さん、宮崎構造設計事務所宮崎さん、古川の3者で伺い、梁の継ぎ手位置、木材接続金物の種類や数量などあらゆる角度から、設計と施工と実際の木材加工とのすり合わせが出来ました。
例えば、本件は4方向から同じ寸法・同じ勾配で上がる方形(ホウギョウ)型の屋根に近い、シンプルな寄棟(ヨセムネ)屋根。屋根仕上げの下にこもる熱を上方に逃がす通気ルートを確保するため、屋根を支える垂木(タルキ)と隅木(スミキ)との位置関係を細かく調整し、明確な通気層を確保する等々、半日足らずで全て調整終了です。
帰り際、工場の見学をさせて頂き、加工の理解を深めることが出来ました。ありがとうございました。