システムキッチンに足す造作カウンターの位置や高さ確認

2023年08月30日


キッチンの造作カウンターを仮で再現し、皆で位置や高さを確認。脚立の高さが偶然丁度良かったので採用。

 

横浜市神奈川区の新築住宅計画「永く住まう平屋」現場。指定確認検査機関による中間検査を終え、工事は丁度中間地点と言えます。本日は施主ご夫妻をお招きし、現場屋内外を皆で見ながら、状況に合わせ設計内容を確認したり調整したりする現場定例打合せ。中山建設小倉さんの舵取りで、屋内外とも仕上げ工事の工程に入る前となる、下地や設備配管などに関わる調整を見極める大事な打合せとなりました。

屋内全箇所の造作については、皆で現場をくまなくまわり、図面と照らし合わせ各形状の最終確認です。特にリビングダイニングのオープンキッチンとなる場所では、システムキッチンに対してリビング側に足す造作カウンターを仮で再現。設置予定箇所に、現場搬入されていたフローリング材で概ねの位置と高さに近い形を作り、ご夫妻に見て頂くことになりました。高さや位置の微調整が目的でしたが、現在の方針で良いことを皆で確認することが出来たので、とても良かったと思います。

他には造作テレビ台の位置や高さ。ベランダの造作物干しバーの位置や高さなども、しっかり確認出来ました。屋外では、外構階段部分を照らす照明器具の位置や仕様を、実際の場所に立ち皆で確認することが出来ました。どの現場でも常に行っている打合せですが、やはり現場で実際の空間や雰囲気を感じながら仕様を最終決定出来ると安心と言えます。

 


屋内では、現場と図面と照らし合わせ各形状の最終確認が出来ました。


屋外では、外構階段部分を照らす照明器具の位置や仕様を、実際の場所に立ち皆で確認出来ました。

 

埋蔵文化財包蔵地の住宅建設で縄文土器が出土その対処と見解

2023年01月6日


昨年末に足場が解体され新年を迎えました。足場が無くなったことで外構工事が出来るようになり、年始めは浄化槽工事からスタート。外観が現れ「完成が楽しみですね!」と道行く地元の方に声を掛けて頂く場面もありました。2月の完成に向け現場はいよいよ大詰めです。@相模原市緑区、新築住宅計画「屋外と屋内とその間がある平屋(仮称)」

 

埋蔵文化財包蔵地の住宅建設で縄文土器が出土
その対処と見解

相模原市緑区の市街化調整区域。周囲は田畑の広がる自然豊かな環境である以上に、実は埋蔵文化財包蔵地※の指定を受けた土地における少し特殊な家づくり計画として進んで参りました。土地は梅畑だった農地から施主が譲り受け宅地へ転用。住まい本体では、地盤調査の結果から建物下全体を900mm掘って砕石を入れ、地盤を補強して対応しています。その下の土は触らないことを約束することで、文化財保護課の許可を経て住宅建設が可能となった経緯があります。

一方、本件は住宅で生じる下水を排水出来る下水道が現時点で整備されていないため、相模原市の負担で敷地内に合併浄化槽を設置する必要がありました。浄化槽設置で必要な掘削は深さ2m。部分的ですが建物本体に必要だった掘削900mmを超えた深さのため、より慎重に向き合う機会であることは間違いありません。浄化槽設置場所の土を掘り出したタイミングで、文化財保護課担当者の方による調査が入り、私自身も立会いました。

土工事の職人さんがバックホウ(ユンボ)と手掘りで正確に掘削した穴に、文化財保護課の方が梯子で降りて調査がスタート。掘削の表面全体を手作業で薄く土を削ぎ落しながら、何かしらの出土を調べるかたちで進行しました。そして当初から文化財保護課で想定されていた通り、深さ1100~1500mmあたりに周囲より黒い色の縄文時代の地層。深さ1200mmのところから私の目の前で縄文土器のかけらが2つ出土しました。触っても良いとのこと。直接触れ歴史を感じることが出来ました。

<見解>
「土器が出土したとなれば、浄化槽工事はストップですか?」とお聞きしたところ、状況が確認出来たので、本件の場合は現場をとめるようなことは無いとのこと。土器は想定通り900mmより下の出土で、おそらく建物本体の下はさらに多く出土する可能性がある。つまり、住まい全体が蓋のようになり埋蔵文化財がタイムカプセルのように温存される状態。「埋蔵物は技術の進んだ未来の調査に託すかたちとなる。文化財保護の観点から理想的な建設とも言える」そういう見解でした。とても面白い考え方だと思います。

<対処>
土器そのものの対処については、文化財保護課担当者の方が出土した箇所を撮影し、深さや位置関係について克明に記録。予め用意されていたビニール袋に入れ持ち帰りました。丁寧な作業に感銘を受けます。図面に書き入れる様子を見せて頂きながら、目に見える環境を超えた縄文の空間を感じた貴重な時間でした。ご縁で携わることになった家づくり。設計した住まいが「地域の埋蔵文化財を守っている」と思うと少し誇らしい。

 


浄化槽設置場所の土を掘り出したタイミングで、文化財保護課担当者の方による調査が入りました。


掘削の表面全体を手作業で薄く土を削ぎ落しながら、何かしらの出土を調べるかたちで進行しました。


深さ1200mmのところから私の目の前で縄文土器のかけらが2つ出土しました。


触っても良いとのこと。直接触れ歴史を感じることが出来ました。


出土した箇所を撮影し深さや位置関係を克明に記録。丁寧な作業に感銘を受けました。

 

※埋蔵文化財包蔵地とは「地中に埋蔵された状態で発見される文化財」を包蔵する土地、またはその範囲のこと。法律用語だが、考古学用語のいわゆる「遺跡」に最も近い概念である。文化庁によると、貝塚や古墳、城跡、都城などの遺跡(埋蔵文化財包蔵地)は全国におよそ46万箇所存在するとされる。 ウィキペディアより

 

地鎮祭に参加。@相模原

2022年08月4日

 

地鎮祭に参加。@相模原

 

お声掛け頂き、地鎮祭に参加しました。

施主ご家族、施工の大工さん、設計担当の私、

住まいづくりに関係する3者が建設地に集合。

土地を見ながら、皆で直接意見交換できる

貴重な機会であるとも言えます。

 

ご家族と一緒に、着工に向けた段取りや、

敷地境界など図面を見ながら土地の確認が出来ました。

皆さま、ご協力ありがとうございました。

 

そして、

ご家族から、土地のすぐ横の畑でとれた野菜や

地のお酒をお土産で頂きました。

早速お祝い。自宅で妻と飲みました!笑

美味しかったです♪

 

@相模原市緑区の新築住宅計画
「屋外と屋内とその間がある平屋(仮称)」

 


地鎮祭の様子。土地を見ながら、皆で直接意見交換できる貴重な機会でもありました。

 


ご家族から、土地のすぐ横の畑でとれた野菜や地のお酒をお土産で頂きました。自宅で妻と飲みました!美味しい♪

 
 

玄関ドアをスチール製から木製へリニューアル

2022年07月3日


個人住宅「山見の家」玄関ドアを、スチール製から木製に変えた修繕後の様子。離れて見ると外壁に馴染むブラック色。近くで見ると木目の風合いと温かみを感じる仕上がりになりました。

 

玄関ドアをスチール製から木製へリニューアル

 

個人住宅「山見の家」玄関ドアは、当初外壁のガルバリウム鋼板仕上げと同じ素材を仕上げとしたスチール製でした。欄間をなくし高さが2.5mで大きく、外壁と一体の意匠とした遊び心を優先したドアといえます。そのため本体の重さが約80kgで重く、片開きのドアが下がり下端を擦ったり、変形し鍵穴が微妙に合わなくなり開閉しづらくなるなど、比較的頻繁に調整が必要な状況を繰り返してきました。またドア本体に郵便受けを備えていたため、郵便物の受取り穴が住まいの断熱気密性能を損ねており、当初は皆で良かれと思って設けたのですが、改善したいところでした。

築17年の住まい。半年前にプチリフォームを検討する中で最も課題となったのが玄関ドアの修繕でした(以前のブログ:当時施工担当頂いた皆さまによるプチリフォーム検討 @山見の家)。当初目指した玄関ドアの意匠性を出来るだけ損ねることなく、機能性や利活用の快適さを同時に叶える修繕に着手。施主ご家族と意見交換し、玄関ドアをスチール製から木製へリニューアルすることになりました。あらかじめ工場で新しい木製玄関ドア本体を製作。現地へ運び新旧の交換後、ドア周りの風情や様子を確認しながら現場塗装を行う方針となりました。

天候の様子を見極めた上で日程を定め、午前中に旧スチールドアを撤去し同時に新しい木製ドアを設置。午後直ぐに現場塗装し工事完了とする工程。工事全体の舵取りを辻本工務店辻本さん。玄関ドア製作設置をSTYLE田代さん。玄関ドアの現場塗装を三浦塗装の三浦さん。玄関ドアが無い、あるいは有っても行き来できないとなれば、暮らしに影響します。最小の工事時間で玄関ドアを入れ替えられるよう段取ることは意外に難しいことです。雨間を狙って工程調整するなど工夫頂き、皆様ありがとうございました。

建物外観に馴染みつつ優しい木製の素材感もある玄関ドアになりました。大きな扉ですが重さが30kg未満で軽く、開閉の負担は全く無くなりました。郵便ポストは今後施主ご主人が楽しみながらDIYで製作し後日ポーチまわりに別置する予定です。スチール製から木製へリニューアルした玄関ドア。住まいの顔が、また生き生きと元気になったように感じます。素敵な修繕となりました。

 


 


旧玄関ドアは、外壁のガルバリウム鋼板仕上げと同じ素材を仕上げとしたスチール製。新しい木製玄関ドアの製作・設置は有限会社STYLEさんが担当。塗装を前提としつつ木目の美しい米杉材仕上げとした精度の高い仕上がりです。

 


木製玄関ドアの現場塗装を三浦塗装さんが担当。ハケとドライヤーを使いながら、むらなくかつ米杉材の木目を程よく活かすバランスで塗装して頂きました。

 
 

※合わせてご覧下さい。
 

◆「山見の家」竣工写真 >コチラです
◆「山見の家」暮らしの様子 >コチラです
◆「山見の家」新建築住宅特集 掲載 >コチラです
◆「山見の家」渡辺篤史の建もの探訪 >コチラです
◆「山見の家」建築家31会 事例紹介 >コチラです

 

 

美味しいスイーツがいっぱいの上棟式

2022年06月11日

 

美味しいスイーツがいっぱいの上棟式

 

施主ご夫妻がスイーツを振舞われる上棟式に参加。チーズケーキ、チョコレートケーキ、ティラミスと2種類のアイスクリーム。現場の仮設テーブルにスイーツが並び、それはもうみな笑顔。テンション上がります!

この日のためにご夫妻は親しいパティシエの方へお任せでスイーツを発注。上棟した屋根の下に搬入し、さらに使い慣れたキャンプ道具で手際よくミルクティーを入れるご夫妻に、とにかく感心しきり。

このような上棟式は初めてです。
美味しくて楽しい^ ^
素敵な会に参加できて嬉しく思います。
ありがとうございました。

@中山建設&古川都市建築計画の家づくり協働プロジェクト、横浜市栄区の新築住宅計画「寄り道できる家」現場。

 


チーズケーキ♪


チョコレートケーキ♪


キャンプ道具で手際よくミルクティーを入れるご夫妻が素敵♪


ティラミスと2種類のアイスクリーム^ ^


チーズケーキ、ティラミス、チョコレートケーキ、大満足の3点盛り&2種類のアイスクリーム。実はおかわりしました。笑

 


横浜市栄区の新築住宅計画「寄り道できる家」イメージモデル

 
 

神主さんにご家族や土地の背景を知って頂き執り行われた地鎮祭

2022年03月12日

横浜市栄区の新築住宅計画。先日確認申請がおり着工の準備に入っています。

本日、和やかでとても学びある良い地鎮祭に参加出来ました。この日、はじめてお会いした神主の方から「もともとあった古家を解体し新たな住まいを建設する計画だったと聞いてます。なぜ道路際の植栽は残してあるのですか?」と尋ねられました。

もともとご親戚の土地で、着工前に解体した古家は、施主ご主人が子供のころからよく遊びにきていた場所。庭の植栽は樹種などもご主人はよく知っていて、撤去してしまうことは想像できない。何年もかけて街並みに馴染んできた植栽でもあるから、残すことが自然だと思う。そのような施主ご夫妻のお考えで、古家の庭木はそのまま残し、新居の住空間へ活かすことになった背景を、神主の方にお伝えしました。「是非そのことを踏まえ(思いを巡らせるという意味だと受け取りました)地鎮祭を執り行います」とお話し下さいました。

神主さんのお声掛けから、ほんの少しではありますが、参加者皆がご家族や住環境の背景を共有出来ました。不思議なことかもしれませんが、おそらくその事があったので、神主さんの所作一つ一つ、言葉の一つ一つがとても鮮明で丁寧だと感じました。たまたまではなく、日ごろから可能な範囲でお客様の背景を共有してのぞむことを心掛けておられるとのことでした。素晴らしいと思います。「背景を理解することの大切さ」を改めて神主さんから学んだ地鎮祭でした。

本計画は、中山建設&古川都市建築計画の家づくり協働プロジェクトです。互いの得意技や気付きなどを全て活かし、施主ご家族と一緒に住まいを創造して参りたいと思います。


横浜市栄区の新築住宅計画「寄り道できる家」基本設計時のイメージモデル。

施主ご家族による子供室壁の湯布珪藻土左官仕上げ体験

2021年06月27日

 

施主ご家族による子供室壁の湯布珪藻土左官仕上げ体験
 

住まいづくりにおいて、施主ご家族が自ら施工に参加出来ることは、とても良いことだと思います。自分たちが住まう家を自分たちの手で作る喜びと共に、家に対する愛着や家族の絆を深める貴重な機会となるからです。一方、建設真っ只中に行うことですから、建設現場における安全確保や、施工を担当される施工会社、あるいは職人の皆さまの理解と、ご協力なくして進めることは難しいことでもあります。

竣工まであと約1ヶ月となり、内装仕上げが始まった横浜市戸塚区の個人住宅「2つのテラスをもつ家」。施主ご家族による子供室の壁の、左官塗り体験が行われました。工事契約時、施工を担当することになった株式会社中山建設中山社長より「折角の機会ですから、是非ご家族で珪藻土壁の左官塗り体験をしてみませんか」と、ご提案がありました。家づくりにとても積極的なご夫妻の様子を感じとり、声掛けして下さったのです。ご家族も大変楽しみにされていたことが、実現しました。

現場の左官職人さんが、下準備を整え、安全を見ながらコテの使い方やコツを伝授。親切にサポートして下さいました。この場をおかりしてお礼申し上げます。ありがとうございました。今回の仕上げは湯布珪藻土。実は、古川の設計図面の仕様では珪藻土と明記してあったものの、産地や種類等どんな珪藻土であるかは指定していませんでした。中山建設さんご提案により、湯布珪藻土を採用することになった経緯があります。

湯布珪藻土は、主成分を地元大分産珪藻土と、湿度コントロールに優れた北海道産珪藻土を混合。結合材に自然素材のセルロースファイバーと食品のりを使用した100%自然素材の珪藻土とのこと。つまり、安心して子供たちに体験してもらえる仕上げ素材と言えます。

施主ご夫妻が、子供たちに左官仕上げの体験をさせようと、お仕事や予定を調整され、現場工程上スムーズな日程に合わせて準備して頂けたことも何よりでした。ご実家のお父様・お母様もご参加下さるなど関係者皆が協力し合い、無事開催出来ました。子供たちにとって、自分の部屋の壁を自分で仕上げる体験。手形や足形を壁に残した思い出とともに、いつか未来の暮らしに活かして頂けると嬉しいですね。

 


写真撮影:中山建設

施主ご夫妻と現場でサンプル帳を見なから屋内仕上げの色を決定

2021年06月18日

 

施主ご夫妻と現場でサンプル帳を見なから屋内仕上げの色を決定

横浜市戸塚区の個人住宅「2つのテラスをもつ家(仮称)」現場は、屋内の仕上げや造作工事が始まりました。施主・施工・設計3者による月1回の現場定例打合せは、残すところ来月あと1回。

この日、クッションフロアシート(CFシート)の色を現場で最終決定しました。本件では1・2階トイレと、お風呂の脱衣洗面室の床は、耐水性や抗菌性、掃除のし易さ等のメンテナンス性を重視したCFシートを採用。CFシートは厚さ2mm前後のビニール系シートの一種で、シートの中間層に発泡塩化ビニールを使ったクッション性のある床仕上げです。

厚みや金額が同じ仕様のCFシートでも、かなり色あいが選べるため、施主ご家族は選定に迷ってしまうことも多いです。工事契約時の段階で具体的な色を決めず、現場がある程度出来てきたところで、今回は現地の様子を見ながら最終的な色を決定することになりました。

既に施工済みで隣りあう無垢板の床材と並べてみたり、採用する空間にサンプル帳などの実物サンプルを直接持って行き、好みの色を検討。皆で安心して最終的な色を決定することが出来たと思います。

 


別の場所である程度の工程まで作りあげられた収納棚など、オリジナル造作家具が随時現場に搬入されてきています。

気密試験の立会いで住まいの気密性能を知る

2021年06月12日

 

気密試験の立会いで住まいの気密性能を知る
 

家づくりにおける大事な建物性能の一つに、気密性を高めることが求められています。もちろん窓や玄関扉などを開ければ、屋内外の隔てがないことになりますが、閉めている状態で、あらゆるところに隙間があれば、夏の冷房設備や冬の暖房設備の効果は薄まり、必要以上の設備使用による無駄な負荷となることを問題としています。

骨格となる建物の外皮に隙間なく、しっかりとした気密性能を発揮できる家づくりとすることで、余分な設備負荷を軽減し、出来るだけエネルギー消費を抑えた住まいを目指したい。それには、設計時において不用意な複雑さを避け、出来るだけ明瞭な構成を心掛けた隙間を生みにくい計画を意識することが大切です。そして何より建物を実際につくる施工時の、大工さんや職人の皆様の、気密性能への意識や取組みが最も重要となります。

気密性能を客観的に知る方法として、工事の途中段階で気密試験を行う方法があり、横浜市戸塚区の個人住宅「2つのテラスをもつ家(仮称)」現場では、施主ご家族のご要望から、工事契約時に気密試験を行うことを盛り込んでいました。施主ご夫妻と設計者である古川立会いのもと、工事途中の現場で気密試験を行なって頂きました。

窓を閉め換気口などを全て塞ぐなど入念に事前準備。専用の機械を動かし約5分間、屋内の空気を屋外に抜くことで減圧し、その際に屋内へ流入する空気の状況を計器で測定します。高気密住宅の目安となるC値(相当すきま面積)1.0未満を想像していたところ、なんと計器が示した数値はC値0.3で、大変高気密であることが確認できました。精度高い施工に感謝申し上げます。

家づくりを行う皆様、気密試験について設計者や施工者にご相談されると良いと思います。関心があっても、どうして良いか分からない、進め方が分からない方など、古川都市建築計画へお問い合わせ下さい。

 


気密測定は、高気密・高断熱・エコ住宅を提案する株式会社ワイエム、若松健司さんが担当。測定をしながら、更なる気密のための工夫やポイントなどをご指導頂けましたので、大変学びある機会となりました。ありがとうございました。

 

大きなオリジナル造り付け収納棚製作のジョイント方法

2021年06月10日

 

大きなオリジナル造り付け収納棚製作のジョイント方法

横浜市戸塚区の個人住宅「2つのテラスをもつ家(仮称)」は、あと2ヶ月で竣工。いよいよ屋内の仕上げや造作工事がクライマックスを迎えます。空間に合わせて設計している屋内造り付け家具の製作が始まり、調整打合せを兼ね工場で貴重な製作過程をみせて頂きました。担当は中山建設家具職人の五味さんです。

大きな造り付け家具は、分割して製作し後で繋ぎ合わせ、必要な寸法の家具を実現します。分割することで現場への輸送・搬入も可能になりますので、合理的で質の高いジョイント技術は、造り付け家具の可能性を広げる、とても重要な技術であることが分かります。

例えば、洗面脱衣室の収納棚は、完成すると壁面と一体となり床から天井までいっぱいの収納力抜群、大きな壁面収納棚となります。上下半分づつ製作し、中程で繋ぎ合わせるのですが、そのジョイントに、ドイツ製の特殊な道具と部材を活用しており、五味さんにその詳細を解説して頂きました。

専用の彫り機で確保した穴に、ジョイントするための金物を互いに埋め込み、外側から六角レンチで締め上げることで引き寄せられるしくみ。殆ど継ぎ目が分からないほどの精度で、別々に造られた家具が一体になります。再度解体して現場へ搬入し、同じ方法で組み立て再現できる。すごいですね。

本件住まいでは、さらに大きな造作家具があり、このシステムで実現して頂きます。安心して製作をお任せできる頼もしい技術ですね。完成が楽しみです。

 

六角レンチで引き寄せジョイントすると、殆ど継ぎ目が分からない素晴らしい精度です。すごいですね。